教科書展示会というものがあります。来年度のすべての教科書が一堂に会する展示会なんですが、実は一般の方も来年度の教科書をいち早く見ることができる会でもあります。お時間あれば行ってみると比較できて楽しいですよ。
出張で行ってまいりました。
…どうでもいいんですけど、ついつい言いたくなったので。
埼玉県の教科書展示会案内のPDFを見ると、タイトルが。
12年前の資料を使いまわせるの、素敵すぎます。
今回は本気で写真撮影禁止なのでメモを基に文字だけで行きます!
理科
電気の利用におけるプログラミング教育がどの程度なのか見てきました。
東京書籍 | 2ページの扱い。MESHが大々的に使われていた。 |
大日本図書 | 4ページの扱い。MESH、Studuino、LEGOが例示。 |
学校図書 | 6ページの扱い。アンプラグド。 |
教育出版 | 2ページの扱い。(あれ、メモこれだけ) |
啓林館 | 4ページの扱い。巻末にシールがありアンプラグドでのプログラミング。 |
という感じで、どの教科書もそれなりにしっかりと取り上げていました。しっかりとというのは、授業の一部として入り込んでいるという意味です。教育出版だけ軽かったからメモが少なかったのかもしれません。
次、算数。
算数
5年生の多角形の作図において、どのように取り上げられているかを見てみました。
東京書籍 | 1ページ。 |
大日本図書 | 2ページ。Scratch2の画面。 |
学校図書 | 2ページ。独自。 |
教育出版 | 単元の途中に2ページ。 |
啓林館 | 2ページ。独自。 |
日本文教出版 | 単元の途中に3ページ。Scratch。 |
単元の途中にと書いてある教育出版と日本文教出版以外は、巻末にコーナーがある感じでした。
教育出版は理科とは打って変わってこちらにはかなり力が入っており、教科書上に以下のような記述が。
プログラミングの手順
- 全体として何をさせたいのか
- 1はどんな動きに分けられるのか
- それぞれの動きは、どんな命令に置き換えられるのか
- 命令を組み合わせて実行する
- うまくいかなければ修正する
これって、完全にプログラミング的思考を子どもたち用にかみ砕いてると思うんですよね。教育出版は算数は力が入っている。なのに理科はなぜ。笑
余談ですが、学校図書の算数の教科書には、数直線に代わって4マス関係表も紹介されていました。私は子どもたちには「田んぼの田ー」って紹介しました。
いずれにしても、算数での扱いは結構軽いところが多い印象。
そして、深入りしないで三角形や六角形を描くくらいで止めてます。
これ、このくらいの軽さで扱ったら、6年の理科のほうでは苦労すると思うんだけどな。教科書に載っているものだけで済まそうとせずに、他の単元でも扱っていかないと無理な気がします。
家庭科
開隆堂が巻末に2ページを割いて、炊飯と洗濯を手順通り行うことについて、実習の手順と機械の手順の両方を提示、比較するコーナーを設けていました。これは手引で取り上げられたものを受けてかもしれません。
生活科
プログラミング教育とは外れますけど、1、2年生が学習する生活科の教科書では、まとめたことを発表する手段として「電子黒板」がイラストで紹介されていたり、巻末にデジカメとタブレットの使い方が紹介されていたりと、ICT機器を低学年から使わせようという意図が感じられました。これはなかなかに新しい動きです。
見つけたよカードと一緒に、プレゼンではなく写真の提示ですけど、写真を電子黒板(大型ディスプレイ)に映し出しながら話をするということも発表の手段として挙げられているのには、驚きました。ICT機器が日常のものとして使われる動きには賛成です。
まとめ
大きくフォーカスされていた電気の利用と多角形の作図については、片方は軽め、片方ががっつりといった感じでした。ただ、この2つの接続が無さすぎますので、ほかの教科や単元において取り組んでいかないと、教科書通りに理科の授業をすることは困難だと言えるでしょう。
そういって意味では理科の教科書がしっかりとハードルを上げてくれていたことに感謝です。
中学では「生活や社会における問題を、ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによって解決する活動」(指導要領より)が入ってきますので、絶対に外せません。
さて。ここをmicro:bitでどう解決するか、私なりの提案もしていかないとですね!
夏休み、頑張ります。