僭越ながら、本年度のMinecraftカップ2022の北海道・海外ブロックで審査員を務めました。実際に北海道に行っての審査会でした。
このご時世なので、審査員だけ現地だったんですが、子どもたちに実際に会って話を聞ければ良かったなぁと思っております。本当にものすごい熱量が込められた作品が多かったんです。
そして、今日。(2023年2月5日)、まさに今、それぞれの地区ブロックを勝ち抜いた作品が全国大会へとコマを進め、その審査会をしています。
Minecraftカップ 2022 全国大会
— すずせん@プログラミング教育とGIGAと。 (@szsk_edu) 2023年2月5日
いよいよ最終審査会です!
私は北海道・海外ブロックの審査員を努めさせていただいたご縁から、現地で見学しております。
頑張れみんなー!https://t.co/mtiuHPY26D@minecraftcupjpn@tatsunami@kazuch0924@Hidekazu_Shoto@sarahatamicrob1 pic.twitter.com/e5kj0Db8ND
SDGsの観点から、自分の表現を突きつめる
全国大会の審査員は本当に著名な方がたくさんいらっしゃり、私は会場の端で見学するだけの存在だったのですが、全部の作品の発表を見て、自分なりの感想をNotionへとまとめていました。
そうして感じたことは、PBL(プロジェクト型学習)の成果物としての、Minecraftの無限の可能性でした。
(それ自体の賛否は置いておいて)SDGsの14、15の達成および「生き物と人と自然がつながる家・まち~生物多様性を守ろう~」というテーマが与えられ、子どもたちはそのテーマに沿って調べたことをMinecraftのワールド場に表現していきます。
表現するにあたって、自分が今持つ知識だけでは足りないので、本やインターネット、フィールドワークなどで「調べて知識を獲得する」という作業がどうしても必要になります。
そして、得た知識を「整理整頓し、ワールドに表したいことを取捨選択すること」や、「グループで役割分担しながら、1つの作品に落とし込んでいくこと」、そして「出来上がった作品を動画として投稿すること」といった過程全てに、PBLの要素がビッシリ入っていますし、最後の成果物が動画というのも、イマドキでステキです。
(ただ、動画は保護者の手が入ると思うので重視し過ぎも良く無いかも知れません。)
学習に便利な教育版
また、教育版マインクラフトには別途サーバーを立てなくても簡単にグループワークが行える機能が追加されています。これはグループの一人がサーバーにもなるので、とても便利です。
なお、この方法でも同じテナントにいないと入れないので、入れるのは同じ組織に所属している人のみというセキュリティが担保されているのも良いです。
ブロックによるプログラミング、Javascript、Pythonによるプログラミングが行える環境があること、コマンドブロックによって更に細かい制御もできることや、Windowsだけでなく、Mac、iOS、Chromebook、Androidでも取り組めること、チュートリアルが充実しており、操作方法や建築方法から学習がスタート出来ること、作ったワールドをファイルとしてエクスポートして、簡単に受け渡しができるのも特徴です。(特にMacは統合版が出てないのに統合版を元にした教育版はあるのが面白いです)
子どものアイデアをほぼ制限なく表現できる
さて、実際の作品を見て思ったことは、子どもたちのアイデアを表現する場としてのマインクラフトの完成度でした。「あれが無いからこれができない」という可能性が、他の教材に比べて低いです。(何なら自分で作れば良い)
また、アイデアが生きるように、完成品があまり用意されていないのも良いです。机・椅子すらマインクラフトには用意されていません。今回の作品で気に入ったのは、座椅子を表現するのにハーフブロックとトラップドアを使っていたものです。(よくある表現だとは思いますが!)
いくつかの作品をご紹介しましょう。]
https://minecraftcup.com/works/workarticle/?work_id=792
で紹介されている、Symphony of Lives(いのちのシンフォニー) です。
(これを書いている時に最優秀賞に選ばれました!おめでとう!)
これだけの発想と構想力、スゴいですよね。
調べたことを表現する、実際のものから着想を得て表現するのも素晴らしい。
作品で交番があるの、実際の街を表現しようとしていてステキですよね。
https://minecraftcup.com/works/workarticle/?work_id=135 より
大人が上を見せている
今回の審査員でいらっしゃる、特にお二人が子どもたちの憧れになっているのもいいですよね。
タツナミシュウイチさん
そしてカズさん
審査員の方以外にももっと多くのマインクラフト配信者がいます。「自分もやりたい!」という姿を見せる大人がたくさんいるのもマインクラフトの魅力です。
あとは我々教員がどう使うか
教育現場で使う場合は、年間5ドルほどで使うことができるマインクラフト教育版。5ドルって言ったら社会科資料集より安いと思います。GIGA端末がどれであっても使えるので、どの自治体だって入れるチャンスはあります。
みんなが大好きなマインクラフトを、PBLを支えるツールとして使ったら、ワクワクする授業ができると思います。
が、これだけステキな教材を、「チャットがあるから」というだけで制限する自治体があるのも残念です。また、「ゲーム」だからという捉えのまま知識をアップデートせず、使わないのももったいないと思います。
ぜひ、いろいろな教育現場でマインクラフトの活用が広がることを願っています!
今回のMinecraftカップ全国大会の審査は以下のYouTubeで見られます。
ぜひ子どもたちの夢とアイデアがいっぱいの作品をご覧ください。