CHIWIだと?のような反応が多かったニュース
2003年の秋頃、次のようなニュースが出ていました。
ニュースをざっくりまとめると、
2020年に納入した学校用のタブレットについて、「バッテリーが膨張する」という故障が多発してしまい学習での活用が上手くできずにいる。その数およそ3500台以上。
納入メーカーは「四電工」で、タブレットの製造メーカーは「CHIWI」。
そして続報が2月に。
半分以上が故障。
そもそも3年経ってのバッテリー問題はメーカーが責任を負うべき故障なのか
スマホも3年使っていたら、バッテリーがへたってくるのは、結構通常の範囲だと思うのですが、それって納入業者や製造メーカーが責任を負うべき故障なのでしょうか。
なんて事を思っていたのですが、3月29日。とあるお知らせが四電工から出されます。
納入業者からの声明が発表された
納入業者からのお知らせが年度末に出されました。
PDFへのリンクもしておきます。
タブレット端末の納入完了および徳島県教育委員会への当社見解書の提出に関するお知らせ[リンク先PDF]
こちらのPDF、非常に簡潔にまとまっておりまして、こちらのPDFの内容を引用すると、
本件 バッテリー膨張は「電解液のガス化が要因であり、電解液のガス化は、使用環境や保管環境で大きく促進されるため、保管環境(夏休み、冬休みなどの休校の為、空調管理がされていない状態の充電や、直射日光があたる状態での充電)などの加速因子が重なったことで、発生したと推察された。」と考察しています。
調査時点においては一部の充電保管庫において充電タイマーが外されるなど文部科学省の充電保管庫詳細仕様に定める輪番充電が上手く機能していないと考えられる状態にあるものも認められました。
また、事前のアンケートおよび学校でのヒアリングから、夏休みや夏休み以外の日常でも持ち帰りを行っていない学校では膨張率が顕著に高い傾向にあることが認められました。
これらのことから、学校の充電保管庫の中で長期間に亘って保管された状態であったことが本件バッテリー膨張に繋がったのではないかと推察されます。加えて、猛暑であった昨年夏季に本件バッテリー膨張が多発したことからも、夏休み中などの保管環境が加速因子として影響したものと推察されます。
簡単にまとめると
- 端末自体の充電制御には特段問題は無い
- バッテリー膨張は電解液のガス化が原因
- 端末の充電状況の調査では猛暑の中でずっと充電させるといったガス化を引き起こしやすい状況であった学校もあった
という調査結果を公表しています。
それを受けてニュースも出ていました。
端末の使用方法について周知する必要があったのでは
常識的に考えれば、夏場の40度超えの教室で無尽蔵に充電させたらバッテリーが死にました、製造メーカーは補償しろなんて、言えないと思うのです。
そこまで過酷な状況で、40日間以上もの充電なんて想定してないでしょう。逆にそんな状況で3年間も通常の使用状況を保てるタブレットがある方がスゴいとすら思えます。
ところが、このニュースが出てから、教育委員がこんなこと言ったみたいなんですよ。
委員
「学校として保管状況がこうであるというのは、もう随分前からもう何年も前から、
学校はこういう風に保管するというのは分かっているのであるから」
おいおい。マジかよ…。文科省の出している充電のガイドラインすら無視した発言…。
パソコンは紙とは違うんですわ。雑に扱って良いものじゃないんです。
委員には頼むからこの動画を見て勉強し直してほしい。
と言う訳で、夏休み中の端末保管については、学校に置くなら直射日光の当たらない涼しい場所で。そしていっそのこと充電保管庫のコンセントは抜きましょう。
とは言え、、学校で使えば使うほど、家庭でも使うと思うんですけど、そもそも何で高校生なのに学校に置かせてるんだろう。
色々残念なニュースだなぁと思いました。
次回の更新のスペックが上がりました
なお、文科省は次回のGIGAスクール端末の要件としてWindowsならメモリ8GB(但し書きで4GBも認めてますが、基本的には8GB)にしましたし、予備機用の予算も15%まで認めるようになってます。一台あたりの価格も55000円まで上がりました。(円安なので仕方ない。)なので、予備機についてもきちんと確保されることになり、このような事態は減ることが予想されます。
CPUはなぜかCeleron N4500同等以上と控えめですが、N4500積むならN100積むと思うのでまぁ大丈夫かと思います…って書いて調べたらdynabookはN4500で新商品出してますね…。
四電工には敬意を表したい
保証期間終了しているのに、社会的な責任という理由から、3500台もの端末を無償提供している四電工には敬意を表したいです。
学校側には端末を自分のものとして大切にさせること、学びの道具としての活用を更に図ることが求められていると思います。後は教育委員会が保守の予算をちゃんと取ることですね。
確かにCHIWI製のタブレットということで、他社より故障率は高いのかも知れません。でも、少なくとも保証期間が2年も過ぎてのバッテリー膨張をメーカーのせいにするのは悪手でしょう。
他の学校においても、夏休み中の端末保管について再度点検し、可能な限り持ち帰りの日常化を図ることで、子どもたちの文具的活用に一歩でも近づくことができる策を講じていく必要があると思います。対岸の火事と捉えず、自分事として考えて行きたいです。