痛ましい事件が起きた。
被害に遭われた方にはお見舞い申し上げる次第です。小6の女の子、これからたくさんの学校行事に取り組み、立派に卒業していく小学校最後の年。頑張ろう、最高の一年間にしたい、そんな気持ちで日々過ごしていたのかも知れません。生涯を閉じてしまうにはあまりにも早すぎる。
ですから、子どもたちの登下校中の安全の確保は、このような事件があってもなくても大事であることは言うまでもありません。
見守る人がボランティアと教員という現状
本校でも、登下校を見守ってくださる地域のボランティアの方々がいらっしゃいます。
本当にありがたいです。
また、本校ではその習慣はありませんが、学校によっては教員が登校時に要所要所に立っているケースがあります。息子の学校はそのようなことが多いです。
ボランティアによる見守りの問題点
ボランティアの方に入っていただくのは本当に有り難い反面、以下のような問題も考えられます。
- ご高齢の方が多く、いざという時に機敏に動けるかは未知数である
- 何かあったときにボランティアの方に責任を問うのは筋違いに思う
と言うことで、組織の一員としてボランティアを活用して良いのか、という点については議論が深まっていません。ただ単にボランティアを活用して登下校時の安全を確保するという論調からの発展はあまり見られず、責任はどこにおかれるのか、いざという時の連絡体制といった、ボランティアだからこそあまり明確化されずにいた部分をどうするかという問題を解決しないと、安全策の一つとして考えてはならないように思います。
教員による見守りの問題点
これは至極単純です。
- 勤務時間外である
ということに尽きます。子どもたちは大体7時半くらいから登校を始めています。
7時50分過ぎには多くの子どもたちが教室におり、思い思いに過ごしている訳ですが、教員の勤務開始時刻は(本校ですと)8時20分です。
ほとんどの教員は子どもたちが教室にいる時刻には教室にいるので、ただでさえ30分の時間外労働を毎日積み重ねています。そこに、登校時の見守りが入ると、およそ1時間の時間外労働を毎日行うことになります。更に、下校時にも見守りを行った場合、子どもたちが下校した後に休憩時間となるため、下校時の見守りは休憩時間を潰して行われると考えられます。登下校合計で80~90分程度の時間外労働になることが予想されます。
確かに子どもたちを守るため、という目的はこの上なく正しいのですが、その解決策として時間外労働が命じられるのはまた別の話です。
勤務時間の問題は誰かが主張しておかないと、無視された状態で話が進んでしまうのが学校現場。
もちろん私も不審者が出た時など、下校時の見守りを命じられたら行きますが、恒常的なシステムとして確立された場合に時間外労働が発生することについては、議論をしていただきたいところです。
コストをかけよう
と言う訳で、
会見では児童の安全確保のため、夕方以降に学校の見回り体制を強化することなどを明かしました。
別の記事では、
今後は、教員による登下校の見守り体勢を強化し、警備員を増員。
とありますので、やはり教員による見回りが行われるようです。一時的には仕方ないと思います。
コストをかけて欲しい
子どもたちの安全を守るため、コストをかけることは難しいのでしょうか。
学校は間違っても命がけで行く場所ではありません。安全を確保するために、登下校時の1時間ずつ、警備員を雇ったり、民間の警備会社と連携して警備に当たったりすることは難しいのでしょうか。
教員ももちろん協力しますが、いっぱいいっぱいな部分があることも事実。
どうか、子どもたちの安全を守るために、コストをかけて欲しいと切に思います。