パパ教員の戯れ言日記

このブログの発信は個人としての発信です。こんな教員もいるのかと思っていただければ幸いです。

私が組体操で使った全資料を載せながら、今年の組体操を振り返る

組体操のメイン担当でした

今年の運動会、組体操のメイン担当として「1人技~2人技」、「ウェーブ」、「クイックピラミッド」を担当しましたので、他の先生方に少しでも参考になればと、作った資料を全部載せつつ、今年の組体操を振り返りたいと思います。

始めに言っておきます。全てを通して軽傷1件(足をひねってしまった)でした。
その子は1時間様子見のため見学し、復帰した後は最後まで参加していました。

というか、サッカーとか野球とかの習い事でケガしてしまい、組体操ができなかった子がいます…。

何のために組体操をやるのか

こちらが、教員に配布、およびクラスに掲示した練習計画です。そこに目標が書き連ねてあります。

ざっくり言えば、

  • 学習規律の確立
  • 体の使い方の力をつける(体つくり運動)
  • 協力する態度を育てる
  • 役割を責任を持って果たす態度を育てる

というような内容に集約されてきます。

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特に、組体操で「しか」つけられない力というのは残念ながら無いので、組体操以外の種目を選択することもアリだったと思います。しかしながら、以上のようなめあてを達成するのに、組体操をうまく活用できるのであれば、非常に有用な手段となります。

組体操は、目的では無く手段です。

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これはなんとかしたい。19時間。多過ぎます。うちの学校の組体操、長いんだろうな…。10時間くらいでどうにかしたいですね。

ワークシートを配布した→思考判断表現の評価に

子どもたちには、組体操のワークシートを配布しました。
この右側が大事です。毎回学習内容と振り返りを記録します。メタ認知させます。
そして、こちらの指導にフィードバックします。

「楽しかった」とか「うまくできた」という振り返りではなく、「自分に手紙を書くように書いてね」と最初に言いました。2行、ビッシリ書く子がほとんどです。

「○○の技では、お互いのタイミングが合わなかったので、曲をよく聴いてやりたい。」
「今日初めて倒立が成功したので、この調子で頑張りたい。」
「土台として、上の子が載りやすいように背中をできるかぎり平らにしたい。」
といった振り返りが出てきます。

これはそのまま思考判断表現の評価に使えそうなので良かったです。

振り返りは必須だと思いました。

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さて、次は実際の指導の場面です。

拍数カウント

テーマが決まり、担当も割り振ったらまずやることは、曲を決めることです。
私の中での曲選びの基準として

  • 分かりやすいリズム
  • 技にあったテンポ
  • 組体操全体の構成に当てはまる曲調
  • 基本的にインスト音源

で選んでみました。分かりやすいリズムというのは、4拍子が基本で、手拍子しやすいといったことです。以前、11拍子(3+3+3+2)という珍しい曲でやったのですが、教える方も無理です。(何故あの先生は普通に教えられたのか今でも分からないし、子どもたちも何故できたのか分からない…)

1人技~2人技は This is me.を選びました。

This Is Me

This Is Me

  • Keala Settle & The Greatest Showman Ensemble
  • サウンドトラック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

とりあえず歌詞カードを印刷して、8カウントがいくつあるか数えます。

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44あるっぽい。

1~2人技

技を組む

44に合わせて技を組みます。モザイク掛かってるのは本からイラストを借りているからです。逆に言えば見えるのは私が描いているわけですが、分かりづらい。笑

また、指導の途中で拍が合わない時は柔軟に変えるようにしました。一応、全部やってみて確認してはいるのですが、大人と子どもって少し体の使い方とか時間のかかる場所が違いますからね。

今年は1学期の様子から、倒立がそこそこできるという情報を得ていたので、補助倒立を入れました。1学期にある程度子どもたちの実態を把握しておかないと、無理な技を押しつけることになります。かといって、簡単すぎてもダメだと思うので、気を使うところです。

サボテンは指導のステップを踏んで1時間使いました。ケガさせてしまったのはここです。「バランスが崩れたら、下の子はすぐに手を離す」というルールの不徹底でした。練習の前に見本を見せるのですが、そこで指導したつもりでした。でも不徹底でした。どうにか支えようとしてしまって、逆にバランスが崩れてしまったようです。ここは今後も徹底したいと思います。

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曲の最後には、選択技を入れました。6つの技の中からペアで選んだ2つを表現します。
キメの時に「This is me!」と言うようにしました。組体操が「自分たちの表現運動」に少しでもなったかなと思います。

3~5人技は別の先生の担当だったので飛ばします。

ウェーブ

全体として1人~2人技、3~5人技、ウェーブ、クイックピラミッド、多人数技と続きますので、ウェーブは全体の構成を考えると一度テンションを落とす必要があります。

選んだ曲は安室奈美恵のHeroです。

引退しちゃったし。寂しいです。

Hero

Hero

  • 安室奈美恵
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

資料がざっくりしたものになります。この時は5人技が校庭全体にXを描くことになっていたので、Xから∧の形に移動することにしたんですが、5人技の隊形が後から変更になった。悲しい。

なお、この曲はガッツリ編集入れてます。具体的には1サビが終わった後2番を飛ばしますし、最初はインストなのに大サビからは安室さんが歌います。

この鉛筆で書いた、味のある字。笑
中学時代に何故か丸文字を書こうと努力を重ねた跡が残ってしまってます。

職員室ではパソコンばかり使うと思われていますが、鉛筆好きです。

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これは校庭に線を引かずにやったので、並び場所を覚えるのが大変でした。やることは簡単なのですが、並ぶ場所が覚えられない。かといって、線を引くのも難しい。(他にも線がいっぱいあるのでごちゃごちゃになる)
でも、覚えてからはキレイなウェーブでした。

クイックピラミッド→ウィングピラミッド

私はクイックピラミッドって言っちゃっていますが、ポップアップピラミッドが正しいようです。いずれにしても、3段のピラミッドが一瞬で立ちます。そして、土台の負荷が少ない優れものの技です。一番下の段が支えているのは2段目の手だけです。2段目は普通に足で立ってますので、重くありません。そして、それを逆手にとって1段目がいなくなるのがウィングピラミッドです。

本校ではポップアップピラミッドはもうガンガン使っているので真新しさが無くなってしまっていますから、今年はウィングピラミッドを入れていきました。


第四回ポップアップピラミッド音楽付き


ウィングピラミッド

資料がだんだん初見では意味不明になっています。最初は1列なのですが、途中から1段目の子がいなくなって2列目を形成し、更に2列目の子の1段目と1列目の子の1段目の真ん中の子がいなくなって3列目を形成します。(?)

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曲が最高にハマった


【楽曲試聴】「待ち受けプリンス(M@STER VERSION)」歌:高槻やよい、菊地真、水瀬伊織

当然ですけど、インストです。

Heroで一気にテンションを落としたのに、これで一気に上げます。
最初のピコピコのイントロが終わるとすぐに全部のピラミッドが上がります。
この曲、インストでしか聞かせてないのですが、子どもたちはテンションも上がるし楽しい技だしで、曲を気に入ったようなんです…が。

言えねぇ…ミリシタやっててひらめいたとか言えねぇ…

子どもたちには曲名を何度か聞かれたのですがうまくはぐらかして逃げました。

でも、年上の先生からLINEが。

f:id:justsize:20181008071832j:plainこれは返すしか無いでしょ…。

職員室でIM@Sも聞く男という認識が定着。

うん。いいのよ。いつか、分かること。

こうして、一人の男は組体操のために犠牲になったのだ…。

まとめ

子どもたちはどうだったか

  • 規律は今まで以上に身につきました
  • 体の使い方のコツをつかむことができました
  • 仲間と一体になって技を完成させる達成感を感じられました
  • ほぼ全ての子が「楽しかった」と感想に書いてくれました

ねらいは達成できたとみて良いと思います。何しろ山あり谷あり、教えているこっちが間に合うのかハラハラして雨降って、どうしようとなりながらも、迎えた本番が一番最高の演技でした。

技を丁寧に教えたので、「先生の言うとおりにやればできる」という実績がつきました。そのため、私の話を今まで以上に聞いてくれるようにもなりました。ありがたい。

教員としてはどうだったか

  • 限られた時間の中で、効率的に教えないといけないため、スキルが向上した
  • 足し算の教え方だけでなく、引き算の教え方にも目を向けられるようになった
  • 大きな行事を終えることで自信がついた

というのは、もう一人の先生の方です。もう一人の先生は教員2年目

私が1~2人技を担当したのは、「教え方を教えるため」だったんです。こうやって教えると子どもたちがうまく動くという見本を見せるためでした。

子どもたちに実際に練習させる前に、見本を見せて、注意点を伝えて、いざという時はどのようにおりるのかを伝えて、ケガ防止の観点を伝えて…とステップを踏んで、子どもたちの頭の中ではどのように動けばいいのかがほとんど理解できてきて、「もういい加減やりたい!」と思うくらいまでイメージができたら練習させます。

そうじゃ無いとケガします。

ステップを丁寧に踏みつつも、引き算で必要最低限なことに絞って教えること。これ、組体操に限らず今後必要なスキルになってきます。今回はそのヒントでも得られたんじゃ無いかなと思います。

という訳で、本校の組体操はこんな感じです。安全に、でもチャレンジングに。
選択肢をあげることで、主体的に。振り返ることで、経験を自己に生かしながら。この経験を通して、一回りも二回りも成長したと、私は思います。