パパ教員の戯れ言日記

パパ教員の立場から、ただただ戯れ言を綴る日記。教員全体の意見ではありませんので、悪しからず。

学年の先生を2人とも泣かせてしまった話

自己満足のエントリーです。

3人とも30代、学年会でも笑いが絶えない今年の6年生担任勢。
本当に私と組んでいる2人は頑張ってます。足りない部分を全部先回りして補ってくれる。本当にありがたい。

さて、今回は私がそんな2人に対して、「そろそろ卒業も近いから恩返ししよう」と考えて仕掛けた、サプライズのお話です。

話は3学期はじめの学年会に戻ります。

6年生を送る会の出し物をどうするか

6年生を送る会。そこで6年生は最後に出し物をするということになっています。
歌を歌ったり、運動会を再現したりするのが例年ですが、6年生を送る会担当に任命した隣のクラスの先生(すもも さん)が第1案を出してきました。

「フラッシュモブ」(で検索して一番に出てきた動画はこれでした)

www.youtube.com

ほほー。なかなかにチャレンジングな提案です。

が、学年会で話し合いの結果、お蔵入りになりました。理由は、フラッシュモブは6年生の返礼の出し物としてはタイミングが変になるから。

大体のケースでは、急に歌ったり踊ったりする訳ですが、6年生を送る会のように「6年生お願いします。」からスタートして急に踊り始めても「???」とはなりづらい。

なので、フラッシュモブではなく、通常の出し物という形で何か行おうということに。

結局、U.S.A.の合奏とダンスを発表して、練習中はヒヤヒヤながらも本番では大成功でした。…が、今回は別のお話。

私はその「フラッシュモブ」というキーワードを静かに胸にしまっておいたのでした。

なるほど。フラッシュモブね。

その学年会での提案

その学年会では3学期の予定と、社会の単元で1時間ずつ全クラスを持ち回って見るということや、算数は4つにコースを分けて学年で時間を合わせてやってみるなど、色々と話し合いました。

最後の授業参観についても話し合いました。これまでの6年間の成長を伝える会を開くこと。ボクたちはここまで成長したよ!って見せられるような会を開く。そして、その後にみんなでワイワイとお茶とお菓子をいただきながら、ざっくばらんに話ができるような、茶話会を開こうと言うことになりました。(茶話会自体は家庭科としてきちんと学習に紐付いています)
最後の授業参観は実行委員会を立てて、子どもたち主導でやろうということも決定。実行委員会の担当は私に。

そして最後に。「茶話会中にサプライズやろうよ。」と提案。私はドラム、もう1人はピアノ、そしてもう1人(すももさん)は歌を担当し、茶話会中に勝手に始めることにしました。フラッシュモブまでは行かないけど、急に歌い始めたら子どもたち驚くだろうなとワクワクしながら話し合い完了。

はい。ここまでで仕込みが完了です。

実行委員を集める

決まった実行委員を集め、最初の数回はしっかりと話し合いをします。会の目的を伝え、名称やスローガンを考えること。出し物についてクラスで話し合い、20分毎の交代で発表を行うことなどを矢継ぎ早に決めて行きます。

学習発表会が行われるという周知をした後、実行委員会とは別に、学年にいるダンスが得意な子に個人的に声をかけます。

「(小声で)あのね、茶話会中に私以外の2人にナイショで、サプライズでダンスを踊りたいと思っているんだけど、何かみんなで踊れそうな曲、候補ある?」

こういうのは、得意な子に任せるのが一番。

翌日には8曲くらいの候補曲が上がってきました。

そして、うちのクラスで企画意図を説明して検討。

決まったのはこの曲でした。


GReeeeN - 贈る言葉

子どもたちと考えたサプライズの内容

  • 茶話会中、どうにかして私が3人をステージ前の椅子に座らせて曲を流す。
  • 1番は有志で踊る。他のみんなは「何してるの?」という感じで振る舞う。
  • 2番になると、全員が集まり始め、2番のサビからみんなで踊る。
  • 間奏では、折り紙で作った花束を渡す…が、私の分は無く、むしろ私はひっぱって真ん中に連れてこられる
  • 私も含めてみんなで踊る
  • 最後は替え歌にして歌う

これを、「2人には秘密!バレたらやりません!」って最上段に書いてプリント1枚にして実行委員を通じて渡しました。

なんと、日頃は机の中がぐちゃぐちゃな子も、プリント落として無くす子も、一切このプリントに関しては他の2人にバレないように管理したようです。

さて、この内容は実行委員に伝達するのですが、大きな問題があります。

いつ練習するのか

サプライズなので、練習風景は見られてはいけない訳です。小学校は担任がほぼずーっと一緒に居るわけですから、会話にも出せない。

さあ、どうするか。

ここで、作っておいた伏線が役立ちます。学年会で決めた、

  • 社会の単元で1時間ずつ全クラスを持ち回って見る

というところ。これはもう、完全にこれのためです。

他の2クラスに社会の授業に行った際、頑張って授業をちょっと詰めて15分間の時間を残します。

「はい、これで韓国に関する内容はおしまい。例のプリント(敢えてこう言う)を出して。」

導入で韓国の曲を流したBluetoothスピーカーからは、贈る言葉が流れます。

歌詞カードを目で追いながら、まず説明。次に机を下げて踊る。花束を作る人と渡す人を決める。

これを2クラス分やりました。花束は折り紙を渡しただけで後はお任せしました。

そして訪れるチャンス

授業参観に向けての学年練習を行っている時に、なんとタイミングよく2人とも出張が入りました。授業時間の途中で出張に行った先生。できた20分間。そこでガッツリ練習。

踊りの確認と替え歌の確認。

花束を渡すときは渡す人以外は座ろうということにもなりました。

前日の放課後、学年の先生で曲を合わせて、こちらのサプライズも準備OK。

いよいよ本番です。

茶話会になる。本番。

学習発表会は大きなトラブルやミスも無く無事に完了。茶話会もお湯が足りないというトラブルが発生するも、何とか軌道に乗り始めます。

そうすると、子どもたちがそわそわ。目で「まだですか?」って訴えてきていますが、まだです。

先に、教員側からのサプライズを仕掛けます。

始まるなんて合図は出していませんから、いきなりピアノの前奏がスタート、歌も歌い始めます。

そこで、「え?」って顔をしながらステージを見る子どもたち。その数瞬後には歓声が上がります。私は1番はひたすらドラムの準備をする。2番から入りました。

歌った曲はKiroroのBest Friendです。途中から手拍子もいただきました。

演奏を終えると、ホッとした表情のお二人。しかし、私は全然ホッとできていません。

目線でみんなに「やるぞー」って訴えかけつつマイクで、「はい、突然ですが3人の演奏でした。2人とも、ちょっと座ってー。」って意味も無くステージの前の椅子に座らせます。

二人はホッとしている状態なので私の動きなんか見ていませんので、その間にBluetoothスピーカーから曲を流す!

はい。始まった。ここからが本番!

1番。有志によるダンス。担任に見つからないように場所を工夫して練習していた(らしい)、見事なダンス。

そして2番。ざわざわしつつも、みんなが集結し始める。私が間違って担任が座る場所をプリントと変えてしまったのですが、無事に臨機応変な対応をしてくれました。

子どもたちみんなで踊る。横をチラッと見ると、2人とも何が起きているのかよく分かっていない状態でぽかーんとしてました。

そして、間奏。花束を渡す人以外が座ります。

その段階で、意図に気づいたのか、涙を浮かべる2人。

私は真ん中にひっぱられてきますが、勢い余って転倒。笑われながらも踊る。

最後の替え歌は、今までこんなに大きな声なのに心がこもってる歌ある?ってくらいに上手だった。

と言う訳で、2つのサプライズは無事に成功。

気持ちが無いとサプライズは失敗する

今回は、押しつけたというよりは、機会を作ったという感じです。踊りを考えたのも、練習をしたのも、替え歌を考えたのも、花束を作ったのも、最初のきっかけは私からですが、あとは完全に子どもたち自身に任せました。得意な子に力を存分に出してもらいました。なので、花束がこんなに豪華になってくるとは思ってませんでした。

みんなでの踊りもそうです。やりたくない子はやらなくてもいいよ、というスタンスでやりました。でも、やりたくない子なんて一人もいなかった。むしろ、2人の反応を楽しみにしている雰囲気、これで泣くかなー、どうかなーみたいに、自分たちが仕掛け側になるときのちょっとした悪巧み、ヒミツでやることのワクワクさ、そんなことを感じました。

そして、その根底として、2人の先生に対して本当にお世話になったとか、好きだとか、やっぱり寂しいなという、信頼関係が築けていたというのがあります。

どうも見かけの出来ばかりにこだわってしまいますけれど、まずは根底に気持ちがあるかどうかですよ。自分の気持ちを伝えたいなって思えば、不器用だって不格好だって、表現すれば伝わるものです。

今回は、そんな気持ちが伝わるうれしさみたいなもの、そんなステキなものを感じ取ってくれたんじゃ無いかなと思います。

さて。これで本当にこの子達に伝えたいことはほぼ無くなりました。やっぱり、学校は人を育てる場所なんだなと思ってます。もちろん、学習も大事。でも、それ以上に、人として生きるって何だろう、人と一緒に共に生きていくことって何だろうという問いにある程度の答えを作っていく場でもあるんじゃないかなって。そういう場としての機能は、やっぱり学校でしか果たせない。

そして、それこそが一番楽しいんですね。私が教職を続ける理由はそこにあります。文句たらたらブログに書いてますけど、やっぱり子どもたちが私の想像を超えて成長していく様を間近で見られることは、この職の良さの原点であり、頂点だと思います。

そういった意味では、ほぼ全て丸投げ状態にしたのに、しっかりと2人に気持ちを届ける仕事を果たしてくれた彼らは、本当に素晴らしい。
3年間も担任してきたこの子達とも、あと3週間でお別れです。

私はサプライズなんかされなくても、普通に泣きますわ。

ほんと、この子達がいなくなった後の教室なんか、想像できないもの。

子どもたちは多分すぐにケロッとするのかも知れませんけど、私はおそらく、何日間も寂しいなーって言い続けると思います。

私の悪巧みにも付き合ってくれる、本当に、ステキな子達です。

3月31日のWATCHA!? プログラミングでは、そんな子達と実践した授業について少しだけですがお話しさせていただきます。多分寂しくて凹んでますけど。隣のクラスの先生のすももさんも来ます。お待ちしています!