Twitterでの相談
超がつくほど尊敬している先生から、6年生とmicro:bitで遊んでみたい、どんなことをして遊べるのか教えて欲しいという問い合わせをいただきました。(一応、教育課程上に位置づけて取り組むことを遊ぶと表現しているという前提でお願いします!)
この記事ではもう少し掘り下げて、micro:bitでの取り組みを一から指導するなら、どのようなスモールステップをふめば良いのかを考えてみたいと思います。長文ですのでよろしくどうぞです。
さて、この記事から一年以上経過し、micro:bitを取り巻く環境も変化して参りました。
ですので、この記事で取り上げていることも混ぜながら、「今私がやるならどうするか」をお伝えできればと思います。
- Twitterでの相談
- 1 micro:bitとは
- 2 教材研究
- 3 転送方法について
- 4 ブロックプログラミングに慣れるために
- 5 いよいよご対面
- 6 理科の授業として取り組むために
- 7 更に遊び倒すために+他の活用例
1 micro:bitとは
micro:bitを一言で言うならば、「小型のシングルボードコンピュータ」である。ということになります。頑丈なために小学生がぶん投げたり落としたりしても、壊れません。(意図的に破壊しない限りは結構丈夫です。)
Amazonでは2,000円程度で買えるので、個人として買うのであればそこまで大きな出費にならないのもGood。
そして、Kenisさんがカタログにも載せてくださっているので、学校の予算でも買えます。
オンラインショップのページもあります。
イギリス発祥のため、日本ではあまり馴染みがなかったのですが、ここ数年一気に普及してきました。
2 教材研究
まずは機能から
micro:bit単体でも結構いろいろなことができます。
まず、センサーとしては
- 光センサー
- コンパス
- 加速度センサー
- 温度センサー(CPU温度を測ります)
があります。
また、入出力として、
- A、Bの2つのボタン
- 25個(5×5)のLEDマトリクス
- 何かとつなぐための端子(大きなものは0,1,2,3V,GNDと名前がついていますが、実はその間にある小さな縦線の部分はデザインではなくて、ちゃんと機能します)
他との通信として
- microUSB端子での接続(電源供給を兼ねられる)
- Bluetoothでのスマートフォンなどとの接続、無線を使った他のmicro:bitとの通信
が可能です。
そのほかに、電池をつなぐPHコネクタ、プログラムをはじめからやり直すためのリセットボタンがあります。
そのほか、micro:bitの機能について詳しく知りたい場合は公式サイトを見るとかなり親切に(日本語で!)書いてあります。
プログラムを作る環境について
micro:bitに指令を出すためのプログラムは、MakeCodeと呼ばれるウェブサイトで作成することが多いでしょう。そのほかにもありますが、まずはこのサイトで作るということを覚えてください。ですので、特別なソフトをインストールする必要はありません。
iPad用のアプリもあります(が、つまずいている人が多いのであまりお勧めできません)
Windowsアプリはオススメ。これが本当は最強。(ですが学校のPCにはほぼ入らないと思って間違いないです。)
いずれにしても、今回はブロックプログラミングと呼ばれるプログラム作成の方法をご紹介します。
こんな風にブロックを組み合わせてプログラミングします。
3 転送方法について
micro:bitへプログラムを転送する際は、PCからUSB経由で送るのが一般的です。iPadアプリからはBluetoothを使って送ります。
micro:bitはPCとつないだ場合、USBメモリと同じようなデバイスとして認識され、MICRO:BITというドライブがPCに表れます。
そこにプログラムのファイルを入れれば、プログラムの転送は完了です。(転送したファイルは本体に書き込まれると消えます。)
注意点として、転送および書き込み中は後ろにあるオレンジ色のLEDが激しく点滅をします。その点滅が収まるまではUSBケーブルを抜かないように注意しましょう。
さて、MakeCode上にもダウンロードボタンが表示されていますが、この後のやり方がブラウザによって変わります。
WebUSBと呼ばれる、ブラウザから直接USB機器への書き込みができる機能が使えるChromeや最新のEdgeなどは、転送先のmicro:bitと一度ペアリングをすれば、ダウンロードボタンを押すだけで本体に転送されますが、IEの場合はPCへダウンロードして、その後ダウンロードフォルダを開いて個別に転送するという手続きを踏むことになります。ちょっとだけ面倒なのでご注意を。(最初にちゃんと教えればあとは覚えるので大丈夫ではあります。)
ですので、あまり大きく手間を増やしたくない場合はChromeの利用をお勧めします。
転送方法の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
はい、ここまでが教員が最低限知っておく内容です。次行きましょう。
4 ブロックプログラミングに慣れるために
ブロックプログラミングはとても簡単にプログラムを作ることができますが、未経験の子にとっては意味が分からないものです。
ですので、ブロックプログラミングに慣れてもらう必要があります。
そこに登場するのが、Hour of Code。
様々なステージや教材が用意されていますが、本当に初歩で良いなら、「古典的な迷路」がオススメです。
開くと動画が自動再生され、英語と日本語字幕での説明が入りますが、これをクラスの全員で見るとうるさいので、事前に見せておくことをオススメします。
下のページのアドレスを一括で教えればOKです。(コンピュータ室ならおそらく管理用のソフトから送ったりできます?)
さて。これで素地ができました。いよいよmicro:bitとご対面です!
5 いよいよご対面
まず、micro:bitとご対面です。
ここで教えることは
- micro:bitの取り扱い方・片付け方といった基本ルール。
- PCとのつなぎ方。microUSBには表裏があるから注意。(慣れている子には釈迦に説法な気もしますが。)
- プログラムの転送の仕方。
- 簡単なプログラムを作ってみよう。
でしょうか。
6 理科の授業として取り組むために
ここは今回、サラッと行きたいと思いますが、プログルがやってくださいました。
なんと、チュートリアル付きなんです。なので、これでほぼできます。
とは言え、プログルボードを買わないとこれ通りにはできないという縛りがもちろんあります。
しかしながら、このサイトで「スイッチON」とされるブロックは、結局のところ、P1にデジタルで出力(1)であり、電流が小さくて済む電子ブザーやLEDをP1とGNDにワニ口クリップでつないであげればOKです。(電子ブザーやLEDは子どもたちが教材として買うか、理科室にたくさんあると思います。)
ただ、さすがに人感センサーは無理なので、人感センサーも使いたかったら買いましょう。
また、豆電球を光らせたりやモーターを動かすことのできるほどの電流は流れませんので、そんな発展をしたいのであれば買いましょう。
授業の流れとしては、チュートリアルがあることで、2時間続きであればチュートリアル+私が行ったような授業でいけると思います。
7 更に遊び倒すために+他の活用例
さて、ここからは発展ですが、色々な活用例がありますので、どんどん紹介しておきますね。
TFabworks
まずは、TFabWorksさんのサイト。
配布されているPDFが良いです。これ、配るだけで発展的な学習いけます。
もちろん、TFabWorksの高松氏の書籍も良いです!
サヌキテックネット
次。前行ったイベントで、サヌキテックネットさんが作ってくださった資料。
画像を引用してきます。こんな資料がありますので、是非。
このサイトは初心者向けにも丁寧に詳しく説明している一方で、かなりディープな内容も紹介されているので、はまり始めたらここから抜け出せないかもしれません。そういった意味では要注意。
網羅的なサンプルプログラミング集
望月先生のサイトでは、かなり多くのサンプルが掲載されていますので、ネタ探しとしても非常に参考になります。
書籍
micro:bitの良さは、画面上ではなくてフィジカルプログラミングが可能なところにありますので、工作との相性がバッチリなんです。
この本はクラブで楽しみました。
とまぁ、ざっくりと紹介してみました。
皆さまの実践に、少しでも参考になれば幸いです。