パパ教員の戯れ言日記

このブログの発信は個人としての発信です。こんな教員もいるのかと思っていただければ幸いです。

「学校説明会で販売されている学用品は全部買わなきゃダメですか?」安く上げようと違う場所で買うのはアリなのか

結論から言えば「全部買ってほしい」

2月も最終週ですが、学校説明会では、学用品の販売が行われるケースも多いのではないでしょうか。

そこでたまに聞くのが、「学用品は本当にこのマークがついているものを全部買う必要があるのですか?」という質問。ここで買わなくても似たようなものをAmazonで買えば安く上がるのに…という気持ち、わかります。

でも、金銭的には安く上がっても、違うコストを払うことになるかもしれません。

小学校に入学したばかりの子どもたちに、一から何もかも教える担任

私、1年生の担任をしたことがないので、あまり詳しく書けないのですが、本当に1年生の担任の先生はすごい。幼稚園や保育園に通っていた子は基本的な集団生活が身についていますが、ご家庭で過ごした子は始めての集団生活。げた箱の使い方、トイレの使い方、あいさつのしかた、などなど、全部一から指導します。

そしてその時、最大で1対35ですので、ある程度物が揃っていると、一括して指導することができるわけです。

ハサミの使い方ひとつとってもそうです。学校で購入するハサミには、竹ひご切りがついていることがありますが、一般に流通するハサミにはあまりありません。

図工で竹ひごを使うとき、ひご切りがついているハサミを持っている子は難なく切れますが、持っていない子は結構大変な作業になります。

ケースの有無も違います。カバーがついていることもあります。

このように、一人ひとり違うものを持っていると、それに対応する指導が必要となり、時間が大幅に伸びていきます。

学習コストが高くなる

また、1年生は抽象的な概念をもとに説明されても理解ができません。一対一で対応している状態で、実物を見せながら、時には大きくテレビやプロジェクターで拡大しながら、1ステップずつ指導することでようやく理解ができることが多いです。

あえて学校指定ではないものを買ったとすると、先生が持っている見本と対応しません。(学校指定で買ってもらったものはすべて教員も見本用として持っています。)できる限り差異を吸収するように指導しているつもりですが、もしかすると学習者にとって、先生の見本やほかの子と違うものを使うことに関して、学習コストが高くなるかもしれません。よくわからないといって、家で続きをすることになるかもしれません。数百円の節約は、確かに大事ですが、このコストを払う可能性があることだけは念頭に入れていただければ。

以下おまけです。

筆箱はシンプルかつ整理整頓できるものを

筆箱はチャックがついているものは、4年生くらいからでもいいかなと思います。

それまでは、確実にどこに何が入っているのかが把握できるものを選ぶべきです。整理整頓の基本はどこに何を入れるのかが定まっている状態からです。

チャック付きの筆箱にした途端に、いらないものが入り始めます。私はある程度の色ボールペンは許容したいと思っていますが、色ボールペンを使うのであれば、なぜその色が必要なのかを考えろと言っています。

ただ単にカラフルにしたいだけならボールペンを使う必要はありません。色鉛筆で十分です。ボールペンで文字の色分けをするなら、その色に役割を持たせて使わないと、後から見返したときに意味が分からなくなります。ですから、基本として、鉛筆と赤鉛筆、消しゴムと定規で十分授業は受けられます。むしろいろいろジャラジャラ入っている割に、鉛筆が削られていないケースのほうが多いです。

話がそれましたが、初めての筆箱は箱型で両面が開くタイプが、私は好きです。表面には鉛筆と赤鉛筆、消しゴム。裏面には定規。キャラクターのものでもいいですが、たいてい被るのでシンプルなものがいいと思います。箱型の筆箱の良いところは、鉛筆が1本でもないとすぐにわかることです。1、2年生の時は夜に毎日筆箱開けてチェックしてましたね。

うちのクラスに缶ペン使ってる子がいますが、落とすたびに白い目で見られていますのでお勧めできないです…!

というわけで、無駄な学習コストを省くという意味では、推薦されるものを買っていただけるとありがたい。

でも、個人の持ち物ですから、強制はできません。自分の考えで買っていただければと思いますー。