パパ教員の戯れ言日記

パパ教員の立場から、ただただ戯れ言を綴る日記。教員全体の意見ではありませんので、悪しからず。

先生が全部を「教えない」授業で子どもたちはどんな交流をしているか

この記事は前回の、単元全部を預けるチャレンジの続きです。

お読みで無い方はぜひそちらから。

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学ぶべき内容やそこに到達するための課題を単元分全部最初にプリントで配って、子どもたちのペースで出来るようにすると、教員の役割が教授行為からマネジメントへ移行していくといった内容でした。

どんな交流をしているの?

さて、そういった時間の中で、子どもたちはどのような交流をしているのでしょうか。特に、算数を苦手とする子どもと、得意で課題を既に終えている子にスポットを当て、隣で影武者のようにずっと聞いてみました。2人の会話をじっと聞いていられるのもこのスタイルの良さというか、普通の一斉授業ですとあり得ないことですが、今後必要となるパフォーマンス評価はどうしても子どもたちの実態に寄り添う必要があります。目と耳は1組ずつしかありませんので全てを拾うことは叶いませんが。

まぁ、授業を参観するのが一番手っ取り早いのですが、少し紹介します。

算数が苦手な男子Bと得意な男子Aの会話

(時間を分数で表す方法について)【60分のいくつを終え→12分のいくつ?の問題】

A:(時計盤を5分毎に区切りながら)1、2、…12。いくつに分かれた?
B:12。
A:それで、(色を塗り始める)… 色がついているのはいくつ分になる?(9と言って欲しい)
B:8。(教科書上で元から色を塗られていた部分を答える)
A:え?ここも入れるんだよ?
B:あぁ、9。
A:それで、色がついているのは9個分というのが分かったよね。これを分数で表したいんだけど、分かる?
B:うん。
A:この時計をさ、12等分したじゃん?それで、色が塗ってあるところが9個分じゃん?分数にすると?
B:んー。60分の9になる?
A:いや、違う違う。60は1時間を60等分したということだから、今回は60は使わないの。そうすると、2つの数しかないじゃん。分かる?
B:5と4。
A:え?
B:だって、(色を塗ったところを数えながら)この9が5と4に分かれる。
A:んー、そういうことか…。えっとね…。

こんな感じですね。これ、どうやって教えますか?
私はこの対応策、持ってますが、敢えて今回は何も言わずに見てました。
まだ私が出張る時じゃない。

ポイントは、「1をいくつに分けているのか」について、まだBは理解が不十分だと言うことに気づいているかどうか。ちなみに、分数の基礎となるその部分は、2年生で学習します。

算数が苦手な女子Aと得意な女子Bの会話

この子は、計算問題をやっているうちに、4年生の学習内容である仮分数を帯分数に直す方法が分からないということが露呈しました。そこでのお話。

A:6分の11 は、11が多いから、ここを1にして、それで、あまりっていうの?が5だから、1と6分の5。

B:それをさ、計算式で表せる?

A:6+4は10、それで+1して11。÷6は5?

B:…?(…何言ってるんだこの子…)どうしよう。

B:…あのね、うんとね、もうちょっと、無理だから 笑、やり方教えるわ。

A:うん。

B:6分の11は、6等分したうちの11個分という意味なのね。

A:うん。

B:それで、分子÷分母をすると、ここの(帯分数の整数部分を指す)部分が出てくるのね。

A:うん。

B:それで、11÷6は?

A:えっと、1あまり5?

B:で、これは覚えちゃう感じなんだけど、6(分母)はこのまま次も使うのね。

A:うん。

B:それで、1っていうのは、11の中に6が1個分ありますよって意味だから、そこは整数にするのね。それで、あまり5って言うのは、11÷6であまり5なんだから、5はあまりの部分でここ(分子)にくるの。

A:なるほど。

私、多分この子は分かっていないと思ってます。Aさんの答えが「うん。」ばっかりです。これは理解している「うん。」じゃなくて、とりあえず分からないけど続きを聞きますの「うん。」です。Bさんはもう抽象的に考えられるので、このような説明になりますが、Aさんはまだ具体にしないと分かりません。

Aさんが言う、「6+4は10、それで+1して11。」というのは、おそらく10進数のことについて述べています。10のまとまりを作る。それから1を足して11というのは、11の説明です。Bさんにとって、そんなことは当たり前のことなので、何を言っているんだ…?となってしまっていますが、そこで、もう既に両者にある前提が全く異なっていることに気がつくと、BさんがAさんの土俵までおりてきての説明が始まります。今回はBさんがAさんをどうにか上げようとしている説明でした。

なので、Bさんは6つ目盛りを描いた「ます」に水を入れるような説明をすれば、理解してもらえたと思います。6つまでしか目盛りが無いのに、11個分の水を入れるよ。満タンになる?溢れたのはいくつ分?といった感じです。

課題が千差万別→これを一斉授業で解決できる?

このように、それぞれの子どもたちは抱えている課題が全く異なります。45分という授業時間の中で、その全てに応えながら、一斉に授業をすることはもはや不可能です。

クラスの人数を減らすことで、こういったことが減るのかと言われると、私は疑問符なんですよね。一斉授業をしていく限り、結局1人の子に対して使える時間というのは大して変わりません。なので、教授行為の方法自体を変える方が圧倒的に効率が良くなるはずなのに、と思います。でも、それでもこちらが主流になり得ないということは、こちら側の説得力が不足しているということです。

もう少し研究を続けて行きます!

(なお、今回見つかった課題については、どうしてもダメな時は個別に指導します。)