パパ教員の戯れ言日記

このブログの発信は個人としての発信です。こんな教員もいるのかと思っていただければ幸いです。

「デジタル教科書、使っていいのは授業時数の半分まで!」という謎の制限→パブリックコメントで変えられないか

文科省がパブリックコメントの募集を始めました

search.e-gov.go.jp

この案件、デジタル教科書に関する案件です。

デジタル教科書とは

現在、教科書は略さないと「教科用図書」と呼ばれるように、紙媒体を想定して各種法令が定まっています。

ですから、デジタル表示されるものは現状では教科書と呼べないために、法令の改正が行われようとしています。

デジタル教科書は以下のように論点が整理されています。

こちらも違うパブリックコメントの資料からの引用です。

①紙の教科書とデジタル教科書の学習内容(コンテンツ)は同一であることが必要,
②デジタル教科書については,改めて検定を経る必要はないとすることが適当,
③動画や音声等は,学習効果が期待されるものの,検定を行うことが困難,かつ,必ずしも適当ではないことから,基本的には検定を経ることを要しない教材として位置付けることが適当

という訳で、基本的にはデジタルになっても紙で作ってきた教科書を踏襲することが必要になります。ということは、デジタル教科書を持っていれば、紙の教科書と同じ内容のため、紙の教科書を持ち運ぶ必要性はなくなります。

最近の紙の教科書って、A4サイズに近いもの(変形版)も出てきたり、上下巻が一緒になっていたりして、子どもたちのカバンの中がパンパンなんですね。

机も狭い

子どもたちが使っている机は旧JIS規格対応のものが根強く残っています。なので、机の中もパンパンです。旧JIS規格対応の机に、A判の教科書を載せて、ノートを開くとはみ出ます。新JIS規格はタテヨコが5cmずつ拡張されているので、入ります。学校の机、30年以上前のものだって平気で使っていますので、入れ替わることを期待するのは無理です。そして、新JIS規格の机で40人学級だと教室が狭い!

よし、校舎から建て替えよう。

タブレットと併用すると、タブレットと教科書とノートと筆箱を机の上に置くわけですが、これはどちらの規格でも無理です。

という訳で、タブレットだけでの授業も積極的に行っていきたいところなのですが、こんな制限がついてきました。

一 教科用図書を使用する授業と教科用図書に代えて教科用図書代替教材を使用する授業を適切に組み合わせた教育課程を編成すること。また、当該教育課程において教科用図書に代えて教科用図書代替教材を使用する授業の授業時数が、各学年における各教科及び特別の教科である道徳のそれぞれの授業時数の二分の一に満たないこと

紙ではなくデジタル教科書を使っての授業は、授業時数の半分までという謎の制限です。どうも、話の流れを追っていくと、目が悪くなるからということが理由っぽいのですが・・・。それで半分という制限を付けることのエビデンスはどこにあるのでしょうか。

半分までという制限は、頑張って使おうという教員の意欲を下げますし、紙の教科書を持ち運ばなくて良くなるというメリットも消失させます。また、理科や算数といった、デジタル教科書と相性が良いだろう教科も半分までしか使えないとなると、非常にやりづらい。

そして、更に言えるのは、抜け道としてデジタル教科書ではないデジタル教材を使っての授業は時間の制限がない。

何のための制限なのだろう・・・。

現在、パブリックコメントを募集している段階です。まだ変えられます。
Webで送れますので、ポチッと送っていただければ幸いです。

 

search.e-gov.go.jp

私も送りました。拙い文だけれども、送らないよりマシかなと。

「デジタル教科書、使っていいのは授業時数の半分まで!」という謎の制限→パブリックコメントで変えられないか - パパ教員の戯れ言日記

パブリックコメントを拝見しました。この案の公示日が11月12日で締め切りが11月13日って…超短くて驚きました。私も意見を書きたかったです。

2018/11/14 10:03

b.hatena.ne.jp

送ろうとしてくださってうれしいです!まだ送れます!2018年12月13日まででした!確認しました!

送った意見

告示案にある、「教科用図書に代えて教科用図書代替教材を使用する授業の授業時数が、各学年における各教科及び特別の教科である道徳のそれぞれの授業時数の二分の一に満たないこと。」という文言に関して、意義を見いだせません。2分の1という数自体にエビデンスの存在を感じません。
教員による活用への意欲を失わせるだけでなく、タブレットだけを持ち運べば良くなるはずの、子どもたちへの身体負担に対しても全く配慮されていません。
机の大きさや容量も考えると、全ての時間でタブレットのみで授業を行う「こともできる」ようにすべきだと考えます。
制限を課さずとも、初めのうちは緩やかに移行することは想像に難くありません。
先進的な事例、研究熱心な教員の意欲を無くさないため、子どもたちの持ち運びに対する負担軽減などを鑑み、エビデンスのない制約はやめるべきだと考えます。