パパ教員の戯れ言日記

このブログの発信は個人としての発信です。こんな教員もいるのかと思っていただければ幸いです。

担任を外れました

4月も半ばに入りました。

今年は少し珍しい職種になりましたので、こちらでもご報告いたします。

初任者に対して指導をする「拠点校指導教員」となりました

新採用の教員には研修が義務づけられています。

教育公務員特例法

(初任者研修)
第二十三条

公立の小学校等の教諭等の研修実施者は、当該教諭等(臨時的に任用された者その他の政令で定める者を除く。)に対して、その採用(現に教諭等の職以外の職に任命されている者を教諭等の職に任命する場合を含む。)の日から一年間の教諭又は保育教諭の職務の遂行に必要な事項に関する実践的な研修(次項において「初任者研修」という。)を実施しなければならない。
2 指導助言者は、初任者研修を受ける者(次項において「初任者」という。)の所属する学校の副校長、教頭、主幹教諭(養護又は栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭を除く。)、指導教諭、教諭、主幹保育教諭、指導保育教諭、保育教諭又は講師のうちから、指導教員を命じるものとする。
3 指導教員は、初任者に対して教諭又は保育教諭の職務の遂行に必要な事項について指導及び助言を行うものとする。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000001 より

この研修の中心を担うのが、拠点校指導教員です。

私の勤務する埼玉県では以下のように指導が設定されています。

ウ 拠点校指導教員は、初任者の所属する学校において、月3日以上、初任者の指
 導及び助言に当たるものとする。 

埼玉県の初任者研修の手引より

月3日…?意外と少ない…?

そうなんです。月3日の指導となっています。

ですので、拠点校を離れて(兼務校)、何人もの初任者を担当します。

私は今年、4校で6人の初任者を担当することになりました。

これはコマ数的に考えて一人が担当できる限界の人数です。

与えられた職を全うしたい

ほぼ全ての初任者の皆さんと一日以上過ごして感じたことは、本当にみなさん真面目で、頑張り屋だということ。初任者の頑張りや思いを知れば知るほど、私の感じる職責は重くなるわけですが、どうにか応えたいと思っています。出来れば一人一人にカスタマイズした形で研修をしてあげたい。担当学年もそうですが、その先生の信条、目指しているクラス像を含め、理解した上で指導したり、見守ったりしていきたいなーと。

そのためには、初任者の考えていることや叶えたいことに対してアドバイスできるだけのこちら側の知識がないといけません。知らないのに教えることはできませんからね。

おかげでこちらの調べることが大量です。

英語専科の初任者を担当することになり、慌てて買った本。ちなみに、この本は本当に英語専科の初任者にお勧めします。英語のことだけじゃなくて、教員として働くことのエッセンスが詰まっています。

拠点校指導教員としての目標

恥ずかしながら、市内で拠点校指導教員を現役の教員がやっているの、私だけなんです。後は、再任用の経験豊富な方ばかり。教員として16年目となる今年、諸先輩方に経験で勝てるはずがありません。ですが、私にしかできない事もあるはず。そんな考えから、次のような目標や方針を立てました。

  1. 担当する初任者を、一年間無事に過ごさせること。
  2. 子どもたちの前で、初任者を下げる発言は絶対にしないこと。
  3. 教員という仕事がステキだと思えるようにすること。
  4. 初任者の研修を通して、自分も変わったり、成長したりすること。

まず何より、心身の健康を第一に考えること。毎日定時退勤、とはいかないこの職業ですが、定期的に定時で引っこ抜き、帰宅させようと思っています。今終わらないとダメという仕事は実はそんなにない。明日でも大丈夫。少し浮かせた時間で、コーヒーゆっくり飲んだり、本屋さんいったり、映画見に行ったりして欲しいです。忙しい中で準備して、忙しい中で実践すると、あんまり上手くいかないんですよね。力を入れるところと抜くところ、この使い分けを伝えていきたいです。

次に、子どもたちの前で初任者への指導は避けるようにしています。私は初任者のクラスでは後の方に立ち、iPad片手に良かったところやルール上の誤り、方針からすると直した方が良いこと、一般的に行われていることとの差異、自分流で行いたいなら、その方向に進んだときの留意点、なんかについてずっとメモをしています。そしてそれをPDFにして、Classroomで共有。放課後はそのPDFを基にして話し合いを進めています。

一日の最後に振り返りをしても、もう起きたことが膨大すぎてどんどん忘れていくんですよね。なので、できる限りその場の様子を切り取って、写真でも動画でも使えるものは使って、具体的な場面に即した振り返りをしようと思っています。

その中で、改善できたことも見つけたいし、そのことに対するフィードバックも返したいです。そのメモとしても活用しようと思っています。

次に、教員という仕事がステキだと思うようにするということですが、この1週間、私、授業したくてしたくて仕方なかったです。笑
思った以上に、自分は授業が好きなんだということが分かりました。後は子どもたちとの世間話も楽しい。やっぱり教職って、教職でしか得られない面白さがあるなぁと。言語化できてないんですけど、この仕事っていいなーって改めて発見しました。なのでそのいいなぁをきちんと言語化して、初任者にも届けたいです。そりゃあお仕事なんで、ちょっと意に沿わずに嫌な思いをすることがゼロとは言えませんが、楽しいこともいっぱいあります。目を向ける先が楽しさになれば良いなぁと思ってます。

最後に、初任者の研修を通じて自分も変わるということ。初任者に対しての指導をする際には、できる限り経験則では無く本などの資料や、法令に基づいて話をするように心がけています。となると、今までの自分の実践を自己否定しなくてはならないことも多々あります。守破離って言いますが、○○スタンダードって言うのは、品質を担保する最低レベルのものとして考えれば、初任者にとっては非常にありがたいものです。ただ、それにしばられて破・離ができない環境は良くありません。初任者の育成を通じて、自分もはじめの一歩を見つめ直したり、そこからのキャリアマップを描き直したり、様々な面での変化ができるのであれば、それを恐れずにどんどん変化していきたいと思っています。教えているようで実は教わっているのは私なんですね。

と言う訳で、本年度は拠点校指導教員として、初任者と関わり合いながらの一年となります。初任者にとってはこの一年がその後の教員人生へと大きく影響を与えます。その一年を私と過ごすことになって「残念だった」と思われないように伴走していきたいと思います。長い道のり、一歩ずつ。頑張っていきましょう。