タイトルの付け方を勉強しています。
読書感想文という、投げられっぱなしの課題
これ、ホント電話の一本でもかけてもらって構わないと思うんですよね。「読書感想文と言いますけど、書き方指導してないのに宿題に出すんですか?」って。
確かにコンクールに出す作品がないと困るのはそうですけど、こっちの都合ですよ、それ。
と言うわけで、読書感想文なんてモノはですね、定型に落として終わりで問題ないです。下手に賞とか狙わずに書くだけでいいですよ。(なお、私は夏休みの前に1時間使って書き方の指導はします)
なので、自由闊達に書け!とか言わずに定型を使う流れでこのエントリーは書きますね。
指導をしないとどういう感想文が提出されてくるか
有名な作品で行きましょうか。そうですねー、では、作画は残念だと思っていたのに、脚本が素晴らしすぎて6話を見終わったときに無駄に「うぉおおお!」って吠えてしまったゲーマーズ!にしましょう。
あ、いかん。書く前に少し語ってしまってるじゃん。リセットしてくださいね。
ゲーマーズ! 雨野景太と青春コンティニュー (富士見ファンタジア文庫)
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あらすじ書くだけの感想文
このお話は、雨野景太というどこにでもいるような高校生の男の子が、学校一の美少女と言われる天道花憐にゲーム部に入らない?とさそわれて、それで、ゲーム部の見学に行ったんですけど、ちょっとちがうなと思った雨野は、せっかくのさそいを断ってしまって、それで、(中略)結局、最後はハッピーエンドになって、ぼくは良かったなと思いました。
うん。最後だけ感想を書いてくれたね。ありがとう。それまでずっとあらすじで、一冊読んだ気分だよ。
ちなみに、これが大体提出される感想文の8割くらいになり、課題図書は複数の子があらすじを書いてくれるので、内容を完全に把握します。笑
書くところが思い浮かばなすぎて表紙に言及し始める感想文
ゲーマーズ!3 星ノ守千秋と初恋ニューゲーム (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 葵せきな
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(中略)、3巻の表紙に、いきなり見たことの無い美少女が出てきてビックリしました。よく見ると制服も雨野くんの学校とは違うし、どういうことなんだろうと思ってこの本を読むことにしました。
漫画読めばいいと思う。
レビューになっている感想文
第1巻が面白くて、2巻も、と読み進めて行ったのですが、もう張り巡らされた伏線にドキドキです。まさか、居酒屋を通った部分まで伏線だったとは気づきませんでしたよ。何はともあれ、これで図らずしも正式なカップルとなってしまった2人が、どうなっていくのか、一筋縄ではいかないと思いますが、楽しみです!
投稿して。どうぞ。
でも、これが一番感想が書いてある。あれ、意外とレビューでもいいのかも知れない。
ゲーマーズ!2 天道花憐と不意打ちハッピーエンド (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 葵せきな
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間違ってはいけない部分、主語は「私」
主語は必ず「私」なんですね。主人公ではありません。なので、読書感想文と言ってますけれども、スタンダードな文章の中身を一文で表すとこうなります。
「今まで~だった私が、この本を読むことによって、~という部分が非常に印象に残ったので、これから~して生きていこうと考えを深めた。」
あい。これは様々ご意見あるとは思いますが、一番簡単に書こうとするとこうなるはず。
ベーシックな構成はこうなります。
- 本との出会い
- 主人公について、行動に感銘を受けた部分
- 今後どうしたいか
なので、作品選びから決まります。
書きやすい作品とは
主人公の行動や気持ちに感銘を受ける必要が出てきますので、まず、主人公が明らかなもの。そして、主人公と自分が、真逆か、ほとんど似ているか、どちらかが好ましいと思います。
例えば、おじいちゃんと一緒に家に住んでいる子なら、おじいちゃんと一緒に住んでいる主人公が出てくるお話とか、ピアノが好きなら、目が見えないのにピアノをがんばって弾いているあの方のお話とか、そういうことです。
ピアノはともだち 奇跡のピアニスト 辻井伸行の秘密 (講談社青い鳥文庫)
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こういう主人公が出てくる物語は、自分との対比、自分ならどうするかを書きやすいですね。そして、本との出会いも書きやすい。
主人公の行動を追うために付せんを使う
次いで本文を読んでいきますが、「お?」「あれ?」「え?」と思った部分に付せんを貼っていきます。抽象的に言うならば、自分と似ている部分と、自分と全く違う部分ですね。
心に残った部分は、どう考えても山場になってくるはずなので、改めてメモする必要は無いのでは無いかと思いますが、どうでしょうか。
自分の行動に反映したいと思ったことをまとめる
ここは考える部分ですね。出来れば、本との出会いの時の自分と何かが変わっているといいですね。おじいちゃんのことをうるさいなぁと思っていたんだけど、やっぱり大切にしなきゃいけないと思ったとか、ピアノの練習が面倒だなぁと思っていたけど、ちょっとがんばってみようかなという気持ちになったとか、そういう感じです。
と言うわけで、ゲーマーズの1・2巻で書いてみましょう。
ゲーマーズ!は単なるゲーム好きの物語では無かった
「生徒会の一存」という本が強烈に印象に残っていて、同じ作者のシリーズだったので手に取りました。主人公の雨野景太は、本当にどこにでもいるような男の子で、自分に対する自信が無く、何を言われても悪い方向で考えて言ってしまう部分があれば、逆にゲームに関しては絶対に譲れないものを持っているという部分には、私に通じるものがあって、思わず自分と重ねるように読んでしまいました。
ライトノベルなので、お決まりの展開だろうなと思いながら読み進めていったのですが、学園のヒロインとまで評される天道可憐に誘われたゲーム部をきっぱりと断ったあたりから、あれ、おかしいなと思いました。どう考えても、お近づきになれるチャンスであれば一緒に入部する方を選ぶと思ったからです。自分なら多少自分を押し殺してでも入ったかも知れません。かと思えば、ゲーム好きなら「そうだよねー」と思わずうなずいてしまう行動も多く取ります。一体何者なんだろうと思いながら読み進めて行きましたが、結局思ったのは、雨野くんは雨野くんであって、彼の行動基準はぶれないということでした。
自分が一方的に「ライトノベルの主人公ならこうだ」という先入観を持って読んでいたことに気がつきました。そして、その先入観が崩される度に、物語に引き込まれてしまっていく自分がいることにも気づきました。
結局、自分の判断基準をもち、それに従って行動する、という当たり前のことを、雨野くんはしていただけでした。でも、それがとてつもなくかっこよく見えて、自分に足りない部分に気づかされました。
これから、何かを選んでいく時、「普通はこうするよな」と、何も考えずに選び取ろうとしてしまうときに、彼の行動基準を思い出して、一度考えてみるようにしたいと思います。そうすることで、自分にとって本当に大切なものに気づいていけるのではないでしょうか。
無理矢理過ぎるだろ