パパ教員の戯れ言日記

このブログの発信は個人としての発信です。こんな教員もいるのかと思っていただければ幸いです。

後輩「授業中出歩きが多くて困ってるんです…」私「そもそも座っている必要ってあるの?」

このエントリーは自分がマイノリティであることを自覚しつつ書きます。

授業中に出歩いてはならないという謎ルール

学級崩壊という言葉にセットで付いてくるくらいに「困った状態」として認知されてしまっているのが「授業中に出歩く」ということなのですが、

そもそも、何故黙って座っている必要があるのでしょうか。

教員のほとんどの方が忘れてしまったと思うんですけど、45分座って話を聞く苦痛さって言ったら無いですよ。出歩くの、仕方ないと思います。むしろ座っている人が偉すぎなんですよ。

黙って座って、ノートを取って、挙手して、みたいな授業、捨てちまえと思います。

通常学級には軽度の発達障害の児童も入ってきています。そのような子に対しても、座ることを強要しますか。落ち着きが無い子を、落ち着かせようとすることにエネルギーを使ってませんか。

実際、仕事中に自分の席のみで全ての事象が完結して、職場の人と一切話さないということは成り立つのでしょうか。職員室ですらムリです。分からなかったら近くの人に聞きますよね。そしたら、それは私語として注意されてしまうモノなんですかね。

ほら、よく家庭訪問なんかすると、無駄話してないですか?みたいに聞かれるんですけど、そもそも無駄話と有用な話っていうのは教員が簡単に区別できるモノなんですかね。ちょっとした疑問が、ふくらんでいって、大きなうねりとなることだって有り得ます。明らかに注意できるのは「今日遊べる?」とか授業中に言っている場合ですけど、それだって延々と続くわけでは無く、すぐに自分たちの活動に没頭し始める訳です。

前段に戻ってきます。

「授業中に出歩く」ということをマイナスにとらえるのではなくて、むしろその事象を活用してみてはどうか、と思うわけです。要は出歩いてもいいんだ。むしろ出歩いていっぱい情報を交換してこい、という授業はあり得ないのでしょうか。そうなったら、落ち着きがない児童にとっては気が楽になりますし、発達障害を抱える児童には、子どもたちがいっぱい話しかけてくれるので、結果的に手厚い指導が可能になります。何故、担任一人で背負い込もうとしているのか。みんなでやれば良いじゃない。そのみんなに、子どもたちも巻き込むことは別に悪いことじゃないと思うんです。

そう考えると、いわゆる黒板の前で教授者が話すだけの一斉授業は、その方向性を転換しないとならなくなります

もちろん、席に座った状態でも、今盛んに言われているアクティブラーニングは実現可能ですし、その状態でのアクティブラーニングは非常に高次なモノであることは想像に難くありません。だって無言なのに脳がアクティブに働いている状態ですよ。これは非常にレベルが高い。

でも、友だちと話したり、説明したり、質問したり、問題を出し合ったりするっていうのも、アクティブラーニングの形の1つです。別に体をアクティブに動かせという訳では無いけれども、席に座っているだけではしづらい。

そして、子どもたちがより深く理解するためには、自分が獲得した知識をそのようにして活用する必要があり、活用させるようにこちらが仕組む必要がある。

と言うわけで、授業中に出歩くことをマイナスでとらえてしまうと、そういう機会を根こそぎ奪う結果になる訳です。

と言うわけで、座って黙って授業を受けているというのが過去の話であること。
また、黒板に向かって座り、黙ってノートを取っているのが過去の話であると言うこと。

これを理解していただければ、私の言いたいことはおしまいです。なので、そういう一斉授業を前提として教育に関して意見しているものについては、ちょっと最近の動向が見えていらっしゃらないのではないか、と危惧しております。自分が受けた授業がいつまでも伝統的に残っていると思われては困ります。

ちょっとモザイクかけるものもあって申し訳ないですけど、いくつかご紹介しますね。

こういう授業、今やってます

国語

これはうちのクラスじゃないですが、教科書のコピーをホワイトボードに貼り、個人で読み取った結果を付せんに書き出し、班ごとにどの部分で心情が変化したのかをまとめていくもの。(立ったまま話し合い)

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社会

沖縄の現状と課題についてABCの3つの観点に分かれて調べ、あとで3人が集まって1つのまとめを作っていく。(ジグソー法)(このホワイトボードはC担当がおそらく出来ていなくてまとめの時間になってABの子と一緒に調べていた班です)

これなんか、もう見通しが伝わっているもんだから、まとめの話し合いの時間に黒板に何にも書いてないんですが、子どもたちが持っているプリントにはびっしり書き込みがある。助言するだけ。

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算数

写真ありませんが、これが一番机がごちゃごちゃに動きます。友だちとやってもいいし、1人でやってもいいし、苦手な子に得意な子がついてやってもいい。とにかく課題をクリアする。余った時間は予習に回してもいいしドリルをしてもいいし、まだ終わっていない子にひたすら教えてもいい。単元全体の見通しは配布してあるので、どんどん進む子がいれば、逆に今日はここまでにしよう~と中断する子もいる。

学習の結果はどうなの

こんな風においおい大丈夫なのか…と見ている人は思うような授業形式を採っても、業者のテストの結果は非常に良好です。業者によるテストは、平均点が表で言えば80点(80%)になるように作ってあります。

うちのクラスの1学期全体では、社会が83%、国語と算数が87%、理科が89%です。

下手な一斉授業よりは高い平均点になっているのではないでしょうかね。(過去の自分を鑑みながら…)

まとめ

子どもたちを席に縛り付けるという考えを捨ててみると、新しいスタイルが生まれてくる。試してみる価値、ありますよ。