パパ教員の戯れ言日記

このブログの発信は個人としての発信です。こんな教員もいるのかと思っていただければ幸いです。

運動会 ライブ配信 やってみた。ATEM+Chromebook

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運動会が無観客開催になった→ライブ配信を提案した

緊急事態宣言中に、市全体で「運動会は本年度、無観客とすること」という決定が出されました。

そのため、保護者が見に来られない状態に…。

そこで、ライブ配信の提案をしました。業者を呼ぶのではなく、自前で。

ふふふ…。(いろいろ後悔する前)

教員用アカウントはYouTubeでのライブ配信も可能

ウチの市、本当にありがたいことに、割り当てられているGoogleアカウントでYouTubeの投稿も、ライブ配信も可能な状態です。(塞ぎ忘れているのではなくて、開いていると言われています。)

そのため、学校のネットワークを使い、公式なアカウントを用いての配信ができる。

なら後はやるだけですね。

機材をどうするか

辿り着くまでに紆余曲折ありましたが、実際に使った機材を列挙します。

1 Chromebook

まず、学校のネットワークでの配信をする以上、私物は接続できません。
よって、YouTubeに流すための機器は、Chromebookです。GIGA端末での配信。
スペックが低いので心配?いえいえ。大丈夫でした。Chromebookには、中継器以外の役目を何も持たせずやりました。

2 ATEM mini

PTAありがとう。PTAの教育奨励費で購入させていただきました。ご負担をかける訳にもいきませんから、一番下のグレードですが、これが抜群に良い働きをしてくれました。もちろん、予算に余裕があれば上位グレードでも良いと思います。上位グレードは、この機器から直接配信ができたり(登録外のものをネットワークに接続することになるので要確認です)、録画しておいたり、接続されているカメラの入力を一覧で見たりできます。(Chromebook環境だとあまり使えないものもあるかもですが)

3 カメラ4台

研究授業の際にはカメラで記録しますので、カメラはどの学校にもあると思います。
今回4台用意したのですが、接続は3台まででした。1台途中でバッテリーが死んで交換したので、予備があれば良いですが、そんな贅沢は言ってられないと思います。
こだわらなければメルカリとかで数千円で出ているビクターの中古で十分です。三脚固定ですし、手ぶれ機能は要りませんし、晴れた日の屋外なので、それなりに映ります。

ただ、1つだけこだわった点がありまして、マイクが良いものを入れました。

それがこちら。

元々は音楽会のビデオを撮影するのに、音が良いビデオカメラがあると良いと考え、こちらもPTA予算で購入いただいておりましたが、このカメラの良いところは、音質も良いのですが、画角が広いところです。校庭の3分の2は入ります。(歪みますが)

なので、このカメラを会場全体カメラかつ音を拾うためのカメラにしておきました。音はずっとこのカメラの音だけを流し、他のカメラからの音はオフに。そんな機能もATEMならついてます。全体を映すカメラは、HDMI入力1に入れておくのをオススメします。

4 YouTube配信を手元で確認するための端末(何でも良い)

実際の様子を確認するための端末があると良いです。

とは言え、これだけでは配信できなくてですね、一番ネックだったのは「ビデオカメラとATEMをどう繋ぐか」でした。

ビデオカメラとATEMをどう繋ぐか

ATEMにはHDMI入力が4つあります。そのため、ビデオカメラのminiもしくはmicro HDMI端子を普通の大きさのHDMI端子にして繋ぐ必要があるのが一つ。

もう一つは競技の様子を近くで撮りたいという要望から、自由に動き回れるカメラにする必要があるのも一つ。

更には、自由に動き回れるにしても、電源問題はついてまわるので、それをどう解決すれば良いのかが一つ。

最後に、校庭内で撮影するならば、配線が徒競走のトラックにかかるのをどうするかが一つ。

といった検討事項が出てきます。

まずはじめに、microやmini HDMIを普通の大きさのHDMIにするというものですが、アダプタが山ほど出ておりますので、そちらを使えばいいと思いますが、今回動き回るということで、L字のものを買った方が良かったなという反省はあります。

一度、練習中にカメラが倒れるハプニングがあり、その際にカメラ側は無事でしたが配線側は折れ曲がりました。L字だとその心配が少し減ります。

こんなのです。

次に、長い距離をどうするかですが、予算順に、

  1. HDMIをワイヤレスに変換して飛ばす
  2. 長いHDMIケーブルを使う
  3. LANケーブルにコンバートして使う

になるかと思いますが、一番信頼性が高いのはもちろん2です。
1はいろいろな障壁を全部とっぱらえるのですが、飛距離の問題、安定性の問題、遅延の問題、電源の問題などが出てきそうです。後は高い。1組2万とかするっぽいです。

2は、HDMIケーブルの規格上、ある長さを超えると光ファイバーのケーブルを挟む必要があるらしく、一気に値段が上がります。経験上、10mまでは安いケーブルでも良いのですが、それ以上は光ファイバーのケーブルが必要かと思います。40mで1万円いかないくらい。

3は、実際に採用しました。

買ったのはこちら。

安価に長距離稼げるという謳い文句ですが、40mのLANケーブルは途切れ途切れになってしまいダメでした。20mは安定。30mもいけるのかな。
ただ、これが3500円で、LANケーブル3000円くらいなので、あんまり変わらないかも知れません。汗

使うLANケーブルは、ノイズが入りづらいものを選んだ方が良いので、安く売っているフラットケーブルはやめたほうがいいです。全くダメでした。

あと、電源を使わないタイプもありますが、全く使い物にならなかったです。

こちらの変換器、電源が5Vだったので、もしやと思って購入したら使えました。

その他に買ったものは、

  • ダイソーの1100円モバイルバッテリー。(上記給電用+ビデオカメラ給電用。10000mAhの商品で半日普通に持ちました。)
  • ダイソーの330円HDMIケーブル。(LANから変換してATEMに入力する用)

くらいだった気がします。ダイソーありがとう。

実際の様子

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放送席はこんな感じ

左端は私物のノートPCですが、学校の端末でも良かったです。何しているかといえば、Googleスライドで作った進行スライドをATEMに出力しています。場面転換中のスライドを入れているだけなので、別にWindowsである必要は無かった。

真ん中にあるのがATEM mini、そしてその右側にテントモードになっているのがGIGA端末のChromebook。その手前にあるのが、YouTube配信確認端末です。

ATEMとChromebookは、USB-Cで繋がっています。何となくThunderbolt 3のケーブル使いました。形がUSB-Cだからといって、USB3.2で接続されるわけではないのでご注意を。

お互いを接続することでChromebookからはWebカメラ扱いとして認識されます。(されないという話も聞いていたのですがされました。)

なので、YouTubeでは、Webカメラでのライブ配信を選択すればOKです。

その他いろいろ映っていると思いますが、省略。

いつもの放送は、この右側にポータブルアンプが設置されているので、そこで学年の先生が自分たちで放送する感じです。ポータブルアンプは学校の放送機器に入力されているので、校庭中にそのまま流れます。

カメラは例えば徒競走なら、スタート→カーブ→ゴール みたいな切り替えにしました。

学年種目はめちゃくちゃ難しい。全体を常にPiPで表示しておいて(なので全体カメラは入力1)、あまりごちゃごちゃ切り替えないようにしました。

ダメだったこと

予約していたYouTube Liveをスタートさせたら、何故か選んだのとは違うカメラで放送がスタートしてしまい、変更出来ずに終了。

教頭先生にメール配信をお願いして、別アドレスでの放送開始となりました。

このあたり、例えばドキュメントか何かのアドレスを教えておいて、適宜書き換えた方が頭が良かったかも知れません。

後はマイクのオートゲインが上手く効き過ぎたのか、微妙にBGMが聞こえづらかったところは反省です。

また、カメラの切り替えが下手で電話かかって来ました。汗

カメラは、前日に40mが上手くいかないということで結論出ていたのですが、20mのLANケーブルが付近のお店に1本しか無く、泣く泣く1つは40mのまま使いました。が、やっぱりダメでした。チラチラしてしまって見るに堪えず。途中から完全に捨ててPCの入力に移行。

1つのカメラが、USB給電しながらの撮影に対応していないという罠。転換時間にこまめに充電したのですが、間に合わずにバッテリー切れました。先ほどの事情で余ってしまっていたカメラに切り替えて使用しました。

上手くいったこと

まずは4時間以上にわたって、ライブ配信が止まることなく続けられたことです。
Chromebookの安定性、回線の安定性が功を奏しました。

また、カメラの移動や撮影のお手伝いでPTAのお母様方にお手伝いいただいたのですが、非常に強力な助っ人でありがたかったです。

あとは学年綱引きで優勝を子どもたちが決めたことですね。笑

そして、朝から会えなかったクラスの子達に、優勝おめでとう、ってクラスルームでコメントしたんです。

そしたら、

「ありがとうございます。先生もお疲れさまです!」

ってコメント返ってきました。これだけで報われちゃうワシ、チョロすぎる。

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たくさん視聴いただきました

需要はあると思いますというか、一つの学校でライブ配信すると400人くらい同時接続があるって、下手なYouTuberよりもありますよね。怖ッ!

他の方の参考になれば幸いです。