タイトルを変更しました。変更前タイトル「自腹で3万払って勉強しないと失職」
また、文章が読みづらいという声を多くいただいたので、2018年9月9日の18時半にまとめの段落を追記しています。すみません。
この夏、免許更新の対象者になっていたので更新の講習を受講しました。
この制度、30時間の研修を受講しないと教員免許自体の効力が失われるという制度です。
この失職のニュース。時々見かけます。
教員免許更新制は、その時々で求められる教員として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に最新の知識技能を身に付けることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることを目指すものです。(上記サイトより)
この目的で行われますが、受講しないと職の遂行ができない、いわば職に必要な研修であり、他に生かされる用途がない(スキルアップとは事実上違う)にも関わらず。
自腹です。
私(放送大学)の場合、3万円。
申し込み、申請も自分で行います。
そして今年。
県からこんな通知が。概要は写真の下に。
受けないと失職なのに、定員オーバーで受けられない恐れがある
- 平成30年度の免許更新の受講者が昨年度より1.7倍に増加する見込みである
- 早めに申し込みをしないと枠が埋まってしまうことも予想される
- 失効しないよう講習の申し込みを確実に行ってください
文科省からも7月末に通知が。
教員免許更新制における免許状更新講習の受講及び円滑な手続等について(事務連絡):文部科学省
地域によっては開設状況に差異があるため、希望する地域で講習を受講することが困難な状況が起こる可能性もあります。
このため、免許状更新講習の受講対象者に対して、希望する地域での受講が困難な場合にも、他地域や通信制で受講可能な講習を探すよう案内するなど、適切な情報提供等に努めていただきますようお願いいたします。
「探すよう案内する」ってすごいですね。
もう、やめたら良いと思うんだ…。
夏休みだから30時間くらい講習の時間取れるよね?→えっ
多くは大学で開講されるこの研修。大学だって予定が詰まっていますから、大抵お盆明けくらいの時期に研修が開かれます。が、そこは小学校教員にとっては研修や会議が詰まっている時期。特に、夏休みが短縮され、8月中に学校が始まる学校にとっては準備に追われる時期になります。
私は放送大学での受講を選びましたが、近場の大学で行われている更新研修を受講した先生は、運動会の提案が行われる会議や、各種学力テストの分析、学校研究が行われる週にバッティングしてしまったので全部出られません。(私が開いたプログラミング教育についての研修もお休みでした。)
帰ってくると浦島太郎状態。通常業務に支障が出る講習を受けるって言うことに対して、目の前の子どもたちにとって、どんないい影響があると言うのでしょうか。
大学に行った先生に聞くと、村上春樹の小説についての講習があったそうです。自分で希望して受ける研修なら楽しいと思うかもしれないけれども、その講習を受講することで教育に関する最新情報を得て自信を持って教壇に立てるかは疑問です…。
放送大学の講習も、「教育の最新事情」っていう必須の講習ですら、試験問題が過去問から出ているものが8割以上でした。どこが最新事情だと。
外国語活動についての講習にいたっては、準備ができていないのかレジュメがないわ、各回の動画の長さがバラバラだわで、受けづらいったらないです。
これこそ必要かどうか、ふるいにかけて欲しい
これって、本当に必要なのでしょうか。形だけでやってませんか。
30時間と、3万円を支払って受け取ったのは、最新の情報や知識ではなく、職を続けられるということだけです。
また、いざ教員として働くときに講習を受ける必要が出てくるのは、将来職に就ける人を減らす要因です。育児で忙しい方が、まぁいいやと免許更新をしなかった場合、育児が落ち着いてからすぐに働くことはできません。(更新講習を受けて免許を更新する必要がある)(大学に通って免許の取り直しになる)
本当に受けたいと思う研修なら自分で行きますって
文科省が本当にしなくてはいけないのは本当に受けたいと思う研修に行きやすくする環境作りだと思います。例えば、そういう研修を積極的に更新講習の一部と出来るようにするとか、職務専念義務免除の対象とするとか、そういうサポートです。
例えば、組体操の研修。安全に行うため、最新の情報を得に研修に参加した先生がいます。休みの日に自腹で参加です。でも、勉強になったと言っていました。
Watcha!に行ってそれが教員免許更新の講習扱いにあるなら、みんな嬉しいでしょう。
全部は無理かも知れませんけれども、草の根的に行われている研修や講習が単位の一部として認めるよう、改善されていくことを祈ります。
今のままの制度だと、多分開いている大学側も含めて、誰も得していません。
勉強したくないわけじゃない
別にお金を払いたくないとか勉強したくないとか、そういうことじゃないんですよ。
私たちはいつだって、目の前の子どもたちと向かい合っています。少しでも向上できる、今の状態を改善したり、更に良くしたりできるものがあるなら、本なんかポンポン買いますし、研修だって自腹で行きますって。
じゃあ、果たして教員免許更新制度はそういう目の前の子どもたちのために本当に必要で、受けないと失職するくらいの制度だと胸を張って言える内容の講習を開けているのでしょうか。私は残念ながらノーだと思います。
10年以上が経過したこの制度、そろそろ見直しの時期にあるんじゃないでしょうか。
教員免許更新講習も母校でこの夏受けて合格したけど、受けるだけで5万かかるの。申請するのも3300円申請料が要るの。
— 雪月花 (@i6Lk65Hk3Ntm2js) August 30, 2018
10年ごとの更新講習受けないで消えていく免許保持者はどれだけいるのだろう。免許あってもこんな過労まっしぐらのサバイバル職に就く方はどれだけいる?
さて、学校教育はどうなる?
それにしても、先生方は、教員免許状更新講習自腹で3万円とか改めてあり得ない。オランダでは、年間約13万円の研究費さえ支給される。残業代もなしというめちゃくちゃさも含めて、抜本改革すべき。たとえば何十億もかけてる全国学力調査を、抽出調査にするなどして。
— 苫野一徳 (@ittokutomano) August 31, 2018
また教員免許更新の講習、予約できへんだ。
— えみ (@a6m6y) September 8, 2018
こんなんおかしいわー
免許更新しやなあかんのに、予約開始と同時に満席になって、ほんまに更新できるんやろか?
更新しなあかんねんやったらちゃんとほしょうしてほしいわ。
できへんかったら仕事もできへんのちゃうん?
ちゃんと考えてや、ほんま。
まとめ
- 制度自体の必要性はまだ分かる
- 職を続けるのに必要な講習なのに、枠がいっぱいで受けられない恐れがある
- 講習内容が今後に生きるかは疑問、3万円と30時間をかける価値は無さそう
- 多忙化を解消し、様々な研修によって単位を認められるようになることを望む
- 形だけならやめたほうがいい。今のままではみんなが不幸。