パパ教員の戯れ言日記

このブログの発信は個人としての発信です。こんな教員もいるのかと思っていただければ幸いです。

不登校だった子どもたちにとって、新学期の学力調査は地獄以外の何者でもない…が負けない!

新学年が始まりましたね!

新しい学年の始まり。

みんなワクワクドキドキしながら担任発表を待ち、新しい仲間、新しい環境で「また一年がんばろう!」と決意を新たにするのは、よく見られることではないかと思います。

しかし、昨年度学校に通うことがなかなかできなかった、いわゆる「不登校児」にとっては、新学期に行われる学力調査が重くのしかかります。

学力調査が怖くて行けない

新学期が始まると早々に各種学力調査が入ります。

私の勤務校では、

  • 全国学力調査(6年のみ)
  • 県学力調査
  • 地区学力調査
  • NRT学力調査

があります。全然リンクしていないのがミソです。
それぞれにこだわりがあり、みたい学力の尺度が違うためだと思われます。

全国学テは5時間がテストに費やされ、県の学テも4時間、地区の学テは2時間、NRTは2時間(2教科のため)掛かります。計13時間です。

このうち、NRTは学校で行う物なので自由に日付を決められますが、ほかの学テは日付が指定されています。

今年ですと、9日に学校が始まると、11日、12日、13日と3日連続してあり、翌週の17日が全国学テでした。おかげで係決めとか出来やしない。

それで、今年は去年学校になかなか来ることのできなかった子を受け持っています。

本人は初日に頑張って学校に来て、
「知っている子や仲のいい子がいっぱいいて安心できるクラスだ…よかった…」と話していました。
おうちの方も「今年は初めから行けたのが何より。うまく行くと良いと思っています。」(表現を一部変えています)
というポジティブな反応だったのにですね、

休みますと。

本人に話を聞くと、「テストが怖い」(意訳。表現を変えています)と。そりゃそうですよ。

学校に行っていないと言うことは、学校での学習をしていないと言うこと。

それなのに、一念発起して頑張ろうと思った次の学年が始まって早々に、自分の至らなさを再確認するようなテスト尽くしの日々が待っている訳です。

そりゃ、自分がその立場だったら行きたくないと思うでしょう。だから、その子が悪いとか、そんなこと、全く思いません。むしろ、申し訳ないと思います。(私が計画したのでは無いにしても)

モチベーションを維持するためにがんばったこと

何日も続くテストは、せっかく学校に行こうと思っていたモチベーションをガンガン下げていきます。

とにかくこの2週間、そのモチベーションを落とさないように気をつけました。がんばろうとしているのだから、あまり急かすように電話したりせず、見通しがもてるように週間予定を渡し、放課後来られるときには来てもらって補習の授業をし、クラス内の良いことをシェアするために学級だよりを書きながら、いずれ来られる日が来るだろうと、その日が来るのを待っていました。その子もがんばっていました。学校に一回来た時、黒板の字が見えづらかったから、眼科に行ったみたいなんです。学校に行きたいと思わなきゃ、眼科に行こうとすら思わないじゃ無いですか。とっても前向きな行動が見られて、それを聞いただけで、がんばってるなぁ、ってじんわり心が温かくなりましたよ。

そして、学力テストがとりあえず終わり、授業参観の当日。

授業参観は社会。「縄文時代と弥生時代のどちらに生まれた方が幸せか」というタイトルで討論会をする予定でした。

4時間目に最終調べをし、「給食はそれぞれのチームで食べようか」なんて言った矢先です。「先生!○○さんが来たー!」「「「「マジか!」」」」

焦る自分

いや、でも、このタイミング、大丈夫なのか…?

(討論会だぞ…調べもなしにいきなり討論したらいろんな意味でヤバいのでは…)

焦るわたし。

「5時間目、討論会だけど、どう?相手と戦う武器は持ってる?」(何故話の種を武器に例えたのかは不明)

「あ、はい。」(ん、これはもしや…無策なのでは!?)

「ちょっと、Bさん!○○さんに武器を授けて!」

学校に来た時は別に特別扱いすること無く、普通に接するようにしようとクラスのみんなに話したとおり、クラスの誰しもが何ら特別扱いせず、武器を授けている様子も見られない。私が教えるにしても、十分な時間が無い。ちょっと確認でもしようかと様子をうかがうと、久しぶりにあった友達と楽しそうに話しながら給食食べてるから、邪魔したくないしなぁ…。

うん。これはマズいのでは…!?

杞憂でした

忘れてました。子どもたちのすごさを。
その子、ちゃんと家で調べていて、討論会でもバッチリ発表。何ら問題ない。

むしろ、問題だったのは自分。勝手にヒヤヒヤしてました。

という訳で、学年の始めって、がんばろうって思っているからこそ、不安な要素はできる限り取り除いておく必要があると思うんです。それは甘やかすってことじゃなくて、ハードルを高くするのが今では無いということです。

そういった意味で、学年当初のテスト尽くしは誰も幸せになっていません。

差し支えなければ、テストはもう少し後に送っていただけると、色々な子が「がんばろう!!」って思っている芽を摘まなくてすむのになぁと思いました。

何はともあれ、担任するからには、みんなで楽しい一年間を過ごしたい!
私にとっても大きなチャレンジ、スタートです!