久しぶりに脊髄反射的なエントリー書きますが、発端はこれです。
んー。感想を言うならば、タイトル通り。
本との出会いを邪魔する資格なんて誰にも無いと思う。
本当に好きな本を紹介したビブリオバトル
4年生を担任しているときの話です。
国語の学習で、ビブリオバトルをやったんです。結構本当のルールに近い形で。
教科書教材で、本の紹介のしかた、それに伴う「あらすじ」や「山場」、「登場人物」の読み取りの仕方を指導し、教科書教材のシリーズ本3冊のうち1冊を取り上げて、ビブリオバトルの練習をしました。ちょっと作成途中のファイルしか見つからずにすみませんがこんな感じのプリントです。
その後、ここでつけた力を使って、自分が本当にオススメする本(学習だから…みたいな制約を全く設けない!)を紹介するビブリオバトルに突入。
時間だけは3分(本当のルールでは5分)でしたが、読みたいと思った本に投票、班→クラス半分→クラス代表→学年での決勝を経て、チャンプ本が決まりました。
こちらです。
かいけつゾロリのてんごくとじごく (31) (かいけつゾロリシリーズ ポプラ社の新・小さな童話)
- 作者: 原ゆたか
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2002/07/01
- メディア: 単行本
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かいけつゾロリシリーズですよ。4年生で。
でも、紹介の仕方が最高にうまかった。最初の一言が「おまんじゅう好き?」から始まる。そこから本の中味に引き込んでいく発表。山場までは紹介するけれども、決して結末は明かさないし、一番好きな場面はしょうもないダジャレの部分。
でも、群を抜いて良い発表だった。
SAOだって、戦国武将図鑑だって、良いんですって。
ゾロリを発表する人がいれば、SAO(ソードアート・オンライン)を勧める子もいたし、黒魔女さんが通るシリーズを発表する子も、戦国武将図鑑を発表する子もいました。でも、本当に好きな本なので生き生きと活動してましたし、「お前そんな本紹介するのかよー。」みたいなのもありませんでした。
司書さんの仕事は「本との出会いをもたらす」ことであって、「本との出会いを断ち切る」ことじゃない
さて、本題です。
先ほどのエントリーから引用しますが、特にこの2点には違和感を覚えます。
・強制ではないが、高学年はあまりゾロリは借りないようにすること。6年生にもなってゾロリばかり読んでいるなんて恥ずかしいから。低学年向けの絵本や○○のひみつシリーズもなるべく借りてほしくない
・「表紙がキラキラしててかっこいい!」「表紙にドラゴンが載っててかっけー!」などの理由で、漢字どころかカタカナもまともに読めないような小さい子が、挿絵もルビもない重厚なファンタジー小説を借りようとすることがあるが「借りても全然読めないでしょ」と説得して貸し出しをやめさせる
1つめの中黒、ゾロリは別に高学年が読んだっていいですし、頭空っぽにして元気を出したいときはむしろゾロリシリーズがオススメ。我が家にはゾロリシリーズが20冊はあります。恥ずかしいという理由は大人の都合。むしろ大人だって読んで良い。ギャグを用いながら話を作り上げていくセンスは参考にすべき。
2つめの方、読めないだろうから諦めさせるのは理解できますが、その本が読めるようになるためにはどの本を読めば良いのかという観点から、新たな本をサジェストすべきだと思います。「その本は文字も小さいし少し難しいから、似たような本で、こんなのがあるんだけどどう?」っていうのが司書さんにしか出来ないことだと思うんですよね。本と子どもたちを繋ぐ役割。ステキな仕事だと思います。
本来の司書さんの仕事っていうのは、本と誰かをつなぐことなんじゃ無いでしょうか。
だからこそ、司書さんに投げかけられた覚え違いをまとめたページが面白いわけです。
覚え違いタイトル集|図書館 - 福井県立図書館・文書館・文学館
そして、絵本を馬鹿にしないで欲しい。絵本の力、最強です。私はクラスをスタートさせる時には絵本を必ず使います。今買おうと思っているのはこの絵本。
この本を「ばっかじゃ無いの?」と思ってしまうか、いかにして子どもを笑わせてやろうかと読み方の工夫を考えるかで、この本の価値は決まる。大声で読み聞かせたい本です。
さて、かく言う私も、今「デスマーチから始まる異世界狂想曲」を読み直してます。なろうで追ってたのですが、もう2年前くらいに読んでいたので内容忘れてる…。
ステキな本との出会いを!
魔法がつかえるようになりたい。 | レファレンス協同データベース
1.児童室のカウンターにて男の子に「魔法の本ありますか?」と聞かれる。詳しく聞くと、魔法が使えるようになりたいということらしい。お母さんと一緒に来館。お母さんもどう説明していいか困っているとのこと。年齢は6歳。ちょっと難しい本でもがんばって読む、と言う。
(中略)
3.3冊とも難しいかと思ったが、うち2冊を選び、借りて行かれた。お母さんと一緒に修行して、できるようになったら見せてくれるとのこと。
返却時の後日談が最高です。こんな本との出会いを演出できるように、なりたいもんです。