パパ教員の戯れ言日記

このブログの発信は個人としての発信です。こんな教員もいるのかと思っていただければ幸いです。

【はんこ祭】児童生徒健康診断票 - 夏休みの仕事その2

いきなりクイズです

突然ですが、このはんこ、何に使うと思いますか。

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ピント合ってない…。

押すと当然ですがこうなります。

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斜線。そうです。斜線のはんこです。

…何に使うかって?

これです。

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児童生徒健康診断票でございます。(上記は記入例です。安心してください。)

保健の情報は何でもここに書き込む公簿

何を書き入れるのかと言えば、

  • 身長
  • 体重
  • 栄養状態(肥満なら要注意って書くの)
  • 脊柱・胸郭・四肢の状態
  • 眼科検診
  • 耳鼻科検診
  • 聴力検査
  • 視力検査
  • 皮膚疾患
  • 心電図
  • 尿検査

などを書きます。

手書きで。

もう一度言いますね。今まで経験している市、全部、

担任による手書きです。

これが、担任の夏休みの宿題になる訳ですが(一部では養護教諭が代行してくれる市もあるらしい…)、そこでこれが活躍する訳ですね。

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これです。この斜線、実は大きな意味を持っておりまして、

「検査の結果、異常なし」は斜線なんですよ。

それで、数えてみましたが、最大で11カ所斜線が引けます。

なので、毎回何段も定規を使って斜線を書くのが面倒だという声に応えた結果、斜線のはんこが導入されているわけです。

で、ですね。個人個人のデータはなんと一覧になっているんですね。養護の先生が作ってくれる一覧表を転記するんですけど、正直、二度手間だと思いませんかね、これ。養護の先生によっては、きちんと保健データの管理用のソフトウェアを用いて全てのデータを管理していたりするんです。

それなのに、手書きで転記するこのむなしさ。斜線を引くためだけにはんこを使う、非生産的な作業。(ちなみに、丸一日かかる場合もあります。40人クラスとか地獄です。)

そして極めつけは、歯科

はい、もう記入例から何言っているのか分からないと思います。

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うちの市では、歯科検診の時に、歯医者さんが言う

「はい、7から5まで斜線、4は○、3は斜線、反対側の~」みたいな呪文を聞いて下書きするのも担任です。

そして、それを夏休みに清書します。

と言うわけで、ちょっと調べてみたんですが、電子化されている自治体もある一方で、柔軟な様式にするとかいう意味不明な理由でこの様式も全国統一ではありません。

こちらは通知表と違ってきちんと法的な根拠がある書類にもかかわらず、です。

PDFで済みませんが、文科省の資料から失礼します。

しかし、健康診断票については、学校保健安全施行規則において項目は 定められているものの、地域における健康課題に柔軟に対応するために健 康診断実施者において弾力的な運用が可能となるよう、全国統一の様式は 定められておらず、当該実施者によって様式が区々となっている。 また、健康診断票データの電子化についても進んでいるとは言えない。

はい。と言うわけで、こういうことをやるのも、教員の夏休みです。

みなさま、よい夏休みをお過ごしください!